石川県の特産品で新商品を作る
株式会社松本では、メーカー様及び飲食店様の商品開発のお手伝いをさせていただいております。
~松本社長の商品開発ストーリー~
シリーズ8回目は、石川の特産品 ・ 加賀丸いもを使った物語です。
2015年初頭、石川県の南部にある能美市の 「 おみやげ 」 として世界中に発信し提案できるものはないですか?
優良おみやげの選考会に参加してください。
と、能美市役所から相談された時からこの物語は始まります。

能美市役所
平成27年3月17日に能美市庁舎1階大会議室で選考会が開かれました。
当然ながら、能美市の優良観光土産品の選定ですから、地元のものを多く使って美味しく仕上げなければいけません。
観光土産の範疇でいいのですか?
「名物にうまいものなし」。有名なことわざですが、名物といわれているものは、実際に食べてみるとたいしておいしいものがない。ということから転じて、世の中には、とかく評判倒れのものが多いというたとえ話ですが・・・・。
だいたい観光土産って高いばっかりで美味しいものが少ないですよね。名前ばっかりで・・・。
だから名物に旨いものなし。
でもそれだったら観光みやげはただのみやげ話としてのツールにすぎません。
それで割り切っていいのでしょうか?
お土産(おみやげ)は、知人や縁者に配る目的で旅行先などで買い求めるその土地に因む品物(進物)のことですから、美味しくなければ悪い評判が知人や縁者に広まるわけです。

百番街・あんとでおみやげ
新幹線が来る時代にこれでいいのか? だんだん人口が減ってきてパイが小さくなる日本の中で、二度と買ってくれないお土産で、二度と選ばれないものでいいのでしょうか。逆に、美味しいと感動してくれればリピーターになってくれて、口コミが多くの人に広がって、その人が石川を訪れてくれる。
食の都・金沢。
食彩の国 ・ 石川でなければ観光立県の我々の未来はないのではないでしょうか。
閑話休題 : おみやげは名物、特産品?
よく 「特産品」 と 「名物 (名産品) 」 という言葉を耳にしますが、果たしてどこが違うのでしょうか? 同じでしょうか?
実はふたつには明確な違いがあるようです。 「 特産品 」 は、ある特定の地域で生産されたり収穫される物品を指すそうです。地ビールや地元の蔵元限定の日本酒など、地域の気候風土を生かしたものが多いのです。
一方の 「名物 (名産品) 」 は、ある地域の特産品が全国的に有名になったものを指し、名産品は特産品に違いないが、特産品が名産品とは限らないのです。全国に知られた名産品をおみやげに選ぶのもいいのですが、知る人ぞ知る特産品を見つけるのも楽しいものです。

選考会の様子 1
具体的には名物より特産物は美味いものが多いとされています。おみやげは美味しくなければいけません。リピーターになっていただいて、また食べたい。また石川に行きたい。あの時出会ったあの人にまた会いたい。そういう風に思えるものを作りたいと私たちは常に思っています。
美味しくなるという直感が働いたのは、加賀丸いもでした
選考委員の方々と一緒に一つ一つ試食をさせていただきました。お茶あり、ギョーザあり、肉ありの多くのエントリーの中から 、山芋の中でも捏芋 (つくねいも) に分類される 加賀丸いもの生うどんに、あと幾つか手を掛ければ1番美味しくなるという可能性を見出しました。
美味しくなる! という直感が働いたのです。

加賀・丸いも
材料の 『 加賀 丸いも 』 は、能美市根上地区・JA根上の特産品の山芋です。生産量は少なく、需要に供給が追いついてはいませんが、いも自体の強い粘りが特徴で、そのままおろしてトロロに、つなぎをいれなくても固まる粘りの強さを 活かして団子汁や揚物にもでき、生を刻んでしゃっきりとした歯ざわりの酢の物にも、摺ったりカットしたりして簡単調理で手軽に 楽しむことができます。
そしてこれだと思った理由のひとつには、石川県に 讃岐うどん(四国)、稲庭うどん(秋田)、水沢うどん(群馬)のような饂飩、わんこそば(岩手)・戸隠そば(長野)・出雲そば(島根)のような蕎麦の日本を代表するような麺類がない事でした。
確かに丸いもを練りこんだ乾麺はありましたが、そのレベルは低く、ポジションの空白があったのです。

目をつぶり試食の味を頭の中で反芻しています
多くの観光客の方が、ビジネスマンが金沢を訪れ、宴会で、パーティーで、最後の食事に麺類が欲しい。というと決まって出されるのが、富山の 「氷見うどん」です。
ちょっと気の張ったお客様には美味しさ優先で稲庭うどん。これがいままででした。
石川県で 「氷見うどん」 。これはないのではと、つねづね思っていたのです。
製造者の方と、ヒヤリングさせていただき、すぐに重要な改善点を3つ思いつきました。
美味しさの秘密は、三つあります
加賀丸いもの量を3倍にしました
もともと加賀丸いもを使っていましたが、使用量が足らず、つやつや感、歯ざわりが足りません。せっかくの特産品です。加賀丸いもの量を思い切ってたっぷりと3倍にしました。原価ではなく美味さを追求するのです。
また嬉しいことに加賀丸いもには薬膳効果がありました。漢方薬の山薬(やまぐすり)とは、ヤマノイモの根の外面を乾したもので、昔から滋養強壮の生薬として親しまれてきました。大腸ガンや高血圧の予防、また、便秘の解消にも効果があり、美容や体力・精力増進などの栄養食品として、中国から珍重され伝来した山芋だったのです。
麺にしまりを加えるため塩を能登塩に変えました
麺に締りが足りませんでした。塩は何を使っているのと聞いたところ、精製塩ですとの答えでした。日清製粉から塩の種類、塩分濃度の指導を受けたとの事でしたが、麺のしまりが足らず、パンチが薄いのは、ここに理由があると思いました。
これをクリアーするには、塩分濃度をあげ、かつ塩の種類としては、朝のNHKのドラマ 「まれ」 で有名になった “ ガッッ ” とした味の、ミネラルいっぱいの能登塩が最適です。
奥能登の天然塩・にがりの原材料は、日本海の海水です。能登半島の海水は千島寒流と対馬暖流とが交錯しており、ミネラルを多く含んでいます。 珠洲の伝統技法によってつくられた塩は、おにぎり、漬物などのシンプルな味付けにはもちろん、料理の仕上げに適しており、素材の持ち味が最大限に引き出されるのです。
なお、塩分濃度があがり辛くならないの? との心配は杞憂にすぎません。
うどんに塩を加えるのは、グルテンを引き締める作用があるからです。これを収斂 (しゅうれん) 効果といいますが、このことによって、うどん生地により強い粘弾性を持たせることが出来ます。また、小麦粉にはたんぱく質分解酵素が含まれており、塩はこの酵素の活性を抑える働きもするので、生地がダレるのを防ぐ働きもします。問題はそのバランスなのです。
小麦の甘みを重視して国産の小麦にしました
美味しければいいのですから、材料の小麦を輸入小麦から性質の違う国産小麦の2種類のブレンドに変えることにより甘みを引き出しました。
国産小麦は、外国産の小麦粉に比べシンプルな粉の甘さや、日本人の大好きなもちもち感と粘りのあるコシが楽しめ、ポスト. ハーベスト農薬は使用されていないため自然な食で元気になります。
そしてあえてもうひとつあげるとすれば、もともと使われている水の原水が、霊峰 ・ 白山を源流とする手取川の伏流水なのです。近くには日本百名水に選ばれた 「 遣水観音霊水 (やりみずかんのんれいすい) 」 もある水に恵まれた立地でこのうどんは作られているのです。
補足ながら、先ほどうどんに含まれる塩の量を増やしたといいましたが、茹でた後のうどんには、そのまま塩が残っている訳ではありません。というより、ほとんど残っていないといった方がいいかもしれません。普通に茹でると塩の90%は湯の中に溶出してしまうからです。
そしてここに、うどんに塩を加えるもう一つの理由があります。茹でる時、溶け出た塩の隙間にお湯が入り込むので、その分、茹で時間が早くなりスピーディーにお客様に提供できるのです。
市の認定を受け、金沢の一流店ならどこでも食べられます
初期の改善点をクリアーし手直しを何度も繰り返すことにより、どこに出しても恥ずかしくないうどんが出来上がりました。関係者のご尽力により、このうどんは、艶々で透明感があり腰があって延びにくく、おかげさまで能美市より優良観光土産品の認定を受けました。

能美市のお墨付きマーク
私どもは、手始めとして石川県を訪れた人に美味しいといって欲しい。また来て欲しい。そのために観光土産としてではなく石川グルメとしての位置づけで販売を開始いたしました。
基本となる味の 加賀丸いもうどん。
それにヨモギを加えた よもぎ饂飩
夏用に青紫蘇を加えた 青しそうどん
冬用に柚子を加えた 柚子うどん
そしてニ八蕎麦に丸いもを加えた 丸いもそば と、そのレパートリーは、どんどん膨らんでいきます。
いま金沢の一流ホテル・料理屋なら何処でもオーダーできます。金沢へおいでの節は、ぜひこの特産品の加賀丸いもうどんをお召し上がりください。
また金沢市が運営する銀座のショツプ 「 銀座の金沢 」( キラリトギンザ6階 ) でもこの夏限定で提供されています。
美味しさの証明は、つるつるの食感、ツヤツヤの光沢です
~ 人に勧めたくなる元気になるうどん ~
暑い夏が,またやってきます。 しかし
いつも夏バテする。
近ごろなんだか食が進まない。
美味しい物を食べたいのに食べられない。
朝が辛い、起きられない。
もう年だから重たいステーキは食べられない。
なんとなく胃腸の調子が悪い、疲れやすい。
毎日がこんな生活だと、仕事、子育て、遊びにも、何をするにもやる気が出ませんね・・・
あなたもこんなお悩みはお持ちではありませんか?
そんなあなたに朗報です。
健康の源は食から始まります。
コシがあって透き通るようなツヤツヤの光沢。つるつるの食感
冷めたくしても、熱々でも、どんな料理でも最高!
美味しさの秘密は、三つ
胃腸を元気に、新陳代謝を高め、疲労回復効果のある加賀丸いも
子供からお年を召した方まで大人気。
美味しい物を食べるだけで夏を元気に乗り切りましょう!
禍福は糾える縄の如し を地でいくミラクルストーリー
災いと幸福は表裏一体で、まるでより合わせた縄のようにかわるがわるやって来るものだ。不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりする。このことわざのごときミラクルストーリーをどうぞ。
<昭和9年の手取川大水害>
昭和九年、霊峰白山から日本海に流れる手取川が氾濫し、死者・行方不明者は112名、流出・倒壊家屋約240戸を数え、土砂流出・堤防切断による氾濫浸水や河床の上昇等、洪水の爪痕が後々まで残り、沿岸の住民は多くのものを失う大惨事がおこりました。

北国新聞の号外から
しかし、なんとこの悲惨な手取川大洪水により流れ込んだ川砂が下流域の田んぼの泥と混ざり合い、丸芋生産に絶好の土壌を作り上げたのです。
加賀まるいもは、この奇跡の土によって文字通り丸い形となり強い粘りを得ました。
粘り気が強いため、上生菓子のあんや上用饅頭の皮のつなぎに利用され、アンの中に一割ほど加賀丸芋を加えるとアンの口当たりがなめらかによくなり風味が増し、お茶に良くあうようになります。また饅頭の皮に加えると粘質物質によって腰が強くなります。
これが霊峰白山の自然から与えられた 『 加賀丸芋 』 の誕生の物語です。
加賀丸芋は、ひとつの種芋からひとつの丸芋しか収穫できません。
また、その品質を保持するために、連作はせず同じ土地では3年に一度しか 「 加賀 丸いも 」 を作りません。それは形や味を損なう 病害虫を防ぐためで、一度 「 加賀 丸いも 」 を植えたらあとの2年間は水稲にして土壌を休ませるのです。
奇跡の土は手取り川下流域のごく限られた範囲にしか存在しません。そのために生産量が限られてしまう貴重品です。そして農家の皆さんは、この狭い土壌範囲のなかで真心込めてひとつずつ大切に我が子のように育てているのです。
加賀丸いもうどん 販売者 株式会社 松本

株式会社 松本
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株式会社松本は、食文化と歴史を少しでも多くの方に知ってもらい本物の味を味わってもらいたいと願っております。
この記事を書いているのは、金沢市・近江町市場の一角に店を構える、1958年創業の業務用食品卸会社「株式会社松本」の松本信之です。
当社では、全国でも希少となった選りすぐりの食材を仕入れ、あるいは独自に加工し、全国のホテルや料亭などの飲食業界・フードサービス業の皆様へお届けしています。
■ 私たちの仕事は、食材に“新しい価値”を吹き込むことです
料亭で供される一皿の料理。その一皿の背後には、実に多くの人の手と想いが込められています。
株式会社松本は、そうした日本の繊細な味、美しい料理を支える「食の裏方」でありながら、単なる卸売業ではありません。
私たちは、料理長とともに悩み、考え、試作を重ねながら、食材そのものの提案や新商品開発を行っています。ときには生産現場に足を運び、農家・漁師・海女さんなどの一次生産者や、食品加工業者と連携し、一貫した食材ストーリーを形にします。
「卸売業でありながら、商品企画・開発まで行う」。
気がつけば、私たちは“ファブレス企業”となっていました。
※ファブレス=“ファブ”(工場)+“レス”(ない)。つまり、自社で工場を持たない製造開発型企業のこと。
■「金沢を世界一の美食のまちに」
私たちが目指すのは、ただの商いではありません。
食の魅力を通して、金沢というまちそのものに新しい価値を創造することです。
スペインの小都市・サン・セバスチャンは、人口18万人ながら、わずか10年で星付きレストランが立ち並ぶ“世界一の美食のまち”へと進化を遂げました。いまや世界中からグルメを求めて人々が訪れています。
この「地方都市の成功モデル」を、私たちは金沢にも実現したいのです。
一緒に、新しい味、新しい価値を生み出し、金沢を世界の美食都市へと育てていきませんか?
■ お取引先の一例
嵐山吉兆様、強羅花壇様をはじめとする全国の一流料亭・レストランに加え、
地元・金沢でも、ミシュランガイドで星を獲得されているお店の多くに、長年ご愛顧いただいております。
たとえば、つば甚様、銭屋様、浅田屋様、料理小松様、エンソ様など――
“金沢の味”を支える料理人の皆様と、共に歩んでまいりました。
代表取締役 松本信之
農林水産省認定 6次産業化プランナー
フードアナリスト NO.25042013
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