秋から冬へ:モクズガニが語る日本の食文化
モクズガニは、古くから日本人に親しまれてきた郷土の味覚であり、特に秋から冬にかけて旬を迎えます。プロの調理師にとって、モクズガニを使った料理は素材の持つ旨味を引き出す腕の見せどころです。貴重な食材を活かし、地域の伝統を感じさせる料理を提供す...
新しくて古いビジネスモデル・角上魚類
今回の食材の旅は産地を訪ねるのではなく、少し趣を変えてお客さんと魚の販売店の新しい動きを調査してみました。「ガイアの夜明け」をはじめとして過去1年間で10本近くのメディアで取り上げられるようになった店の「角上魚類(かくじょうぎょるい)」を訪...
しらす:日本の海の繊細な味わい
しらす、その繊細な美味しさと豊かな歴史には、日本の食文化の奥深さが詰まり、日本の食文化に深く根ざした食材です。その繊細な味わいは多くの料理人に愛されています。この美味しい海の恵みを理解し、料理に活かすためには、産地、製造方法、歴史的背景など...
日本一のスッポン:古代から現代への美食探求
我々が扱う服部中村養鼈場のスッポンは、その品質の高さから、京都のすっぽん料理で有名な「大市」でも使用されています。バブル時代には他産地のスッポンと比べ価格が1.5倍から2倍にもなり、夏に出荷サイズの大きさが不足するなどの問題がありました。こ...
ゆべし、一つの料理が織りなす文化の物語
伝統的な食文化とその背景は、多くのプロの調理師にも十分に伝わっていません。特に地域固有の料理や技術は、時と共に風化しやすく、知る人が少ないため、逆に新鮮味が感じられます。 今回は、輪島の伝統的な料理「ゆべし」や柚子を使った各地の料理に焦点を...
香茸:日本の伝統を彩る香り高い秋の味覚
香茸は、その強い香りと独特の風味から、多くの日本料理に欠かせない食材です。特に、東北地方の山間部では正月や祝日の料理に使われ、その年の祝い事を彩る重要な役割を担っています。昔から、婚礼料理などの定番とされ、玉子焼き、かまぼこと共に「三種の神...
鳴門糸わかめ:伝統が息づく海の恵み
料理の世界においては食材一つひとつにその歴史があり、その加工法にはそれぞれに深い意味が存在します。 特に日本が誇る海藻の一つであるワカメは、古来から多様な方法で私たちの食生活を豊かにしてきました。 前回、瀬戸内の鳴門地方に伝わる「灰ワカメ」...
時を超える味わい:灰ワカメという名の遺産
約180年前の1845年に徳島県・鳴門で始まった「灰ワカメ」の製法は絶滅寸前です。 1983年には年には灰ワカメの生産者は450戸存在しましたが、1998年には約200戸、そして2014年にはわずか11戸に激減してしまいました。これはシダ、...