
五郎島金時の スイートポテト
株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の新商品開発をお手伝いさせていただいております。
~ 松本社長の新商品開発ストーリー ~
シリーズ1回目は、「 有限会社 かわに 」 様との開発物語です。

総出で芋掘りです
「 かわに 」 さんは、金沢市粟崎町を拠点にされている農業法人で加賀野菜のひとつの五郎島金時イモの生産をされていらっしゃいます。金沢の方なら 「かわに」 と聞けば 「 ああ、あのサツマイモの」 とピンとくる方も多くいるかもしれません。なにせ石川県の農家の中でそのキャラクターからメディアに取上げられることも多く、その取り組みからも常に先頭を走ってきた人です。
私心のない かわにさんに感動を憶えました

芋を選び出します
彼は 「 五郎島金時いも大好き!」 「 五郎島金時いのち!」 と公言してはばかりません。またその普及のために自ら汗をかき、お金も使ってきた人で、そこには私心がありません。常に頭の中にあるのは五郎島金時いもを日本一にしたい。その一点です。だから農業の垣根を越え多くの人に愛されています。私と知り合ったのは経営戦略の勉強会が最初でした。

大きさを揃えていきます
さつまいもづくりは、2月中旬から始まります。まずは土作りから始まり、畝づくり、植え付け、追肥、除草・中耕・土寄せ、ツルを返し、試し掘りを経て9月~10月下旬が収穫のピークとなります。どの工程も大切なので収穫まで気を抜けないそうです。
そしてなんと彼は、五郎島金時いもの普及のため、いもを焼き芋にする加工工場も持っています。そんなかわにさんから、こんど金沢駅の商業施設の百番街に出店するから、そこで売る商品を考えて欲しいとの相談が持ち込まれました。
五郎島金時商品の企画開発にトライしました

百番街のコンセプト・初稿
つまり 株式会社 松本 がお手伝いするのは、その五郎島金時いもを材料とした商品の企画開発です。まずはコンセプト作りから2人で検討しあいます。
具体的な商品コンセプトを考えるのです。
1、誰に(ターゲット)
その商品はどういう特性の人に販売するのか。
2、何を(ニーズ)(ベネフィット)
そのターゲットのどのような欲求(ニーズ)を満たすのか、どんな役に立つ(ベネフィット)のか。
3、どのように(提供技術)
ニーズをどのような方法(技術)で満たすのか。

キャンディータイプ
お客様は新幹線が開通するまでは、20代後半~30後半の女性。開通後のお客様の半分は県外の観光客と推定しました。スイーツ大好きで、職場にもおすそ分けできる単価で、お土産としては1000円位で提供できる需要を見込みました。
そして一番多く五郎島金時いもを使う商品にして、自社工場での作業のピークが重ならないように、出来るだけ加工の作業工程を少なくするように考えました。

チーズ・ブルベリーも
一般的なお土産のスイーツは原価を安く上げるために色々な方法を取ることができます。まず原料となるイモの糖度を上げるために焼き芋にする工程を取っていますが、これを蒸し上げだけの工程にすれば、焼き芋の皮をむしる手作業の時間が省けます。

一次加工所にて
また焼き芋にすると皮に付いている身を捨ざるえなかった分が、蒸す場合は最初に皮をむきますのでロスも大きく改善されます。原材料のイモも一部に中国産を使えばよりコストも安くなります。
しかしその分、食味と香りが失せてしまうため、糖分と香料を加えなければなりません。商品の後ろの一括表示に香料と書いてあるのがそれにあたります。
まがい物は作らない、本物だけで勝負する
かわにさんの反論が始まります。まず五郎島金時の普及が最大の目的なので、材料は贅沢に使いたい。まがい物は作りたくない。そのものずばりの味で勝負したい。原価が高くなるのなら、作付けに失敗したと思って、材料のいもはタダで提供する。

試作を作ります
そこまでかわにさんに言われたら横道にそれるわけには行きません。ストレート勝負で 「スイートポテト」 を作ることに決まりました。そのさい参考にさせていただきましたのは福岡や大阪の某有名店のスイートポテトでした。(みなさん、ごめんなさい。)
再度、原価計算、材料調達、販売価格などを検討。商品化の道筋を立てます。製造過程に入る前にはサンプルを作って確認し、菌検査・日持ち検査を行い基準に達したことを確認して実際に工場での生産を始めます。

百番街の売り場 1
試作品を作る中で、基本のプレーンからの派生として、少し欲張りに、ブルーベリーやチーズ、能登塩なども作りました。様々なテイストのスイートポテトを試作し、さて味見です。五郎島金時の味わいを生かせるのは・・・。そんなトライアルが続きます。
初期版はスティック状でしたが、ちょっとした手みやげにも使えるようにと、少し豪華にしたバージョンも作ります。そんなことを繰り返しました。
商品の試作だけではなく、売り場の見せ方も話し合います。お客様にお渡しする直前に焼き器で温めるとか、美味しそうに見せるディスプレイなど。購入されるお客様の笑顔を思い浮かべながら考える楽しい時間を過ごさせていただきました。

百番街の売り場 2
現在、金沢駅の百番街 「あんと」 で販売されている加賀伝統野菜の一つ、五郎島金時を贅沢に使ったスイーツ。
実は、こんなところにも、株式会社松本のアイデアが詰っているのです。
*豆知識:五郎島金時とは…
石川県金沢市の五郎島・粟ヶ崎地区や内灘砂丘で主に生産されているさつまいもを「五郎島金時」と呼びます。加賀伝統野菜の一つです。
この地にサツマイモ栽培を伝えたのは、太郎右衛門。江戸元禄の時代に、薩摩の国(現在の鹿児島県)から、種芋を持ち帰り、栽培を始めたそうです。
日本海に面した五郎島の地は砂丘地帯で、さつまいもの成育に最適だったようで、通気性、保水性に富む砂丘の土壌が、格別に美味しいさつまいも生み出します。

株式会社 松本
https://matumoto.co.jp/
株式会社松本は、食文化と歴史を少しでも多くの方に知ってもらい本物の味を味わってもらいたいと願っております。
この記事を書いているのは、金沢市・近江町市場の一角に店を構える、1958年創業の業務用食品卸会社「株式会社松本」の松本信之です。
当社では、全国でも希少となった選りすぐりの食材を仕入れ、あるいは独自に加工し、全国のホテルや料亭などの飲食業界・フードサービス業の皆様へお届けしています。
■ 私たちの仕事は、食材に“新しい価値”を吹き込むことです
料亭で供される一皿の料理。その一皿の背後には、実に多くの人の手と想いが込められています。
株式会社松本は、そうした日本の繊細な味、美しい料理を支える「食の裏方」でありながら、単なる卸売業ではありません。
私たちは、料理長とともに悩み、考え、試作を重ねながら、食材そのものの提案や新商品開発を行っています。ときには生産現場に足を運び、農家・漁師・海女さんなどの一次生産者や、食品加工業者と連携し、一貫した食材ストーリーを形にします。
「卸売業でありながら、商品企画・開発まで行う」。
気がつけば、私たちは“ファブレス企業”となっていました。
※ファブレス=“ファブ”(工場)+“レス”(ない)。つまり、自社で工場を持たない製造開発型企業のこと。
■「金沢を世界一の美食のまちに」
私たちが目指すのは、ただの商いではありません。
食の魅力を通して、金沢というまちそのものに新しい価値を創造することです。
スペインの小都市・サン・セバスチャンは、人口18万人ながら、わずか10年で星付きレストランが立ち並ぶ“世界一の美食のまち”へと進化を遂げました。いまや世界中からグルメを求めて人々が訪れています。
この「地方都市の成功モデル」を、私たちは金沢にも実現したいのです。
一緒に、新しい味、新しい価値を生み出し、金沢を世界の美食都市へと育てていきませんか?
■ お取引先の一例
嵐山吉兆様、強羅花壇様をはじめとする全国の一流料亭・レストランに加え、
地元・金沢でも、ミシュランガイドで星を獲得されているお店の多くに、長年ご愛顧いただいております。
たとえば、つば甚様、銭屋様、浅田屋様、料理小松様、エンソ様など――
“金沢の味”を支える料理人の皆様と、共に歩んでまいりました。
代表取締役 松本信之
農林水産省認定 6次産業化プランナー
フードアナリスト NO.25042013
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