
特有の強い香りを放つために香茸と名付けられました。
香茸は、その強い香りと独特の風味から、多くの日本料理に欠かせない食材です。特に、東北地方の山間部では正月や祝日の料理に使われ、その年の祝い事を彩る重要な役割を担っています。昔から、婚礼料理などの定番とされ、玉子焼き、かまぼこと共に「三種の神器」として重宝されてきました。これは香茸が持つ特別な地位を物語っています。
香茸の起源と特徴
香茸は、その独特の風味と香りの強さで知られる、日本の高級きのこです。中国原産とされることが多いですが、日本におけるその歴史は古く、江戸時代の料理書『日本料理秘伝集成』や『素人庖丁』にも登場します。これらの古典では、岩茸や松露と共に、香気の強いきのことして紹介されており、その時代から香茸の価値は認識されていました。

乾燥させた香茸
香茸は、その強い香りと独特の風味から、多くの日本料理に欠かせない食材です。特に、東北地方の山間部では正月や祝日の料理に使われ、その年の祝い事を彩る重要な役割を担っています。昔から、婚礼料理などの定番とされ、玉子焼き、かまぼこと共に「三種の神器」として重宝されてきました。これは香茸が持つ特別な地位を物語っています。
伝統的な収穫と栽培の難しさ
香茸は、秋になると赤松が生える地面に発生しますが、収穫期間はわずか1週間程度と非常に短いです。この短い期間に収穫しなければならないため、香茸の収穫は非常に繊細な作業となります。また、香茸は人工栽培が難しいため、自然環境下でのみ生育し、それが希少価値を高めています。そのため、松茸以上の高値で取引されることもあり、高級きのことしての地位を確立しています。
地域ごとの特徴と産地
日本における主な産地は、秋田、岐阜、長野、広島などです。上記の写真を見ればよく分かると思いますが石川県の白山地域では、その形態が熊の皮膚に似ていることから「くまじく」とも呼ばれています。
気を付けなければいけないのは収穫されて生で販売される香茸はともかく、八百屋さんで乾燥させる場合も多く、乾燥具合や扱いがあまりよくないことも多いことを頭に入れておいてください。
しかし各地域ごとに、香茸の特徴や風味に微妙な違いがあり、地域ごとの特色を楽しむこともできます。
乾燥と下処理の重要性
生の香茸はアクが強く、そのまま食用にすることはできません。通常、天日で乾燥させて使用され、乾燥によりアクが減少し、味と香りが向上します。乾燥の出来栄えが、香りの強さに大きな影響を与えるため、この過程は非常に重要です。
① 乾燥させる前に下処理する方法と、
② そのまま風通しのよい日陰でゆっくり干したものを調理前に下処理する、方法の2種類があります。
乾燥前に下処理した香茸は、水で戻せばすぐに調理できるのがメリットです。
調理前に乾燥香茸を下処理する方法は、作業の調整がしやすいため、あくを抜き過ぎてうま味まで逃がすリスクを減らせます。
乾燥品の戻し方と注意点
戻し方には特別な配慮が必要です。まず、香茸をぬるま湯に浸し、重しをして水面下に沈めます。数時間から一晩程度浸すと、香茸が柔らかくなり、料理に使用できるようになります。この際、鉄分を含む道具を用いる古い方法もありますが、現代では衛生的な理由からあまり推奨されません。

中国で乾燥した香茸を集めてあります。
① 生の香茸を、うま味まで逃がさないように軽く茹でこぼす
② ざるにあけ、水気をしっかり取ってから天日干しにする
※干す前に食べやすい大きさに切ると、早く乾くうえに調理で切る手間も省ける
香茸を戻す際には、水につける時間に注意が必要です。
まず、香茸をぬるま湯に浸します。この時、重しをして香茸が水面下にしっかりと沈むようにしましょう。
戻す時間は、通常は数時間から一晩です。この時に鉄分を使って黒い色に仕上げるため鍋や鉄の棒を入れたりして戻しました。
③ 乾燥香茸をぬるま湯に数十分浸す
④ あくが出て黒くなった湯を捨てて、新しい湯と取り替える
⑤ ③と④の作業を何度か繰り返した後、香茸を水に浸す
⑥ そのまま火にかけて沸騰させてあくを抜く
香茸を活かした料理法
香茸は、旨煮(佃煮)などの伝統的な精進料理や茶懐石料理に多用されます。また炊き込みご飯茶わん蒸しとしてよく使われていました。
その香りが特徴なので、煮物やスープ、中華料理の餃子の具、洋食のクリームソースやリゾットなど、幅広い料理に活用されています。香茸の香りは料理の風味を深め、特別な味わいを提供します。
香茸を使ったレシピ例
以下は、香茸を使用した人気のレシピです。
香茸と鶏肉の炊き込みご飯
米、香茸、鶏肉、調味料を使った、シンプルで風味豊かな料理です。
材料:米:2合
香茸(戻したもの):4~5個
鶏肉(一口大に切る):200g
醤油:大さじ2
みりん:大さじ1
酒:大さじ2
出汁:360ml
塩:小さじ1/2作り方:
米は通常通りに洗い、30分程度水に浸しておく。
香茸は薄切りにする。
鶏肉は醤油、みりん、酒で下味をつける。
米を炊飯器に入れ、出汁、塩を加えて混ぜる。
上に鶏肉と香茸をのせて、通常通りに炊く。
香茸の味噌汁
香茸を使った味噌汁は、深い香りと味わいが特徴です。
材料:香茸(戻したもの):3~4個
お味噌:大さじ2
出汁:600ml
豆腐:150g
長ネギ:1本作り方:
香茸は薄切りにする。豆腐は一口大に切る。長ネギは小口切りにする。
出汁を鍋に入れ、沸騰したら香茸と豆腐を加える。
火が通ったら、火を弱めて味噌を溶かし入れる。
長ネギを加え、少し煮たら完成。
香茸のバター醤油炒め
バターと醤油のコンビネーションが香茸の風味を引き立てます。
材料:香茸(戻したもの):5~6個
バター:大さじ1
醤油:大さじ1
塩・こしょう:少々作り方:
香茸は薄切りにする。
フライパンにバターを溶かし、香茸を炒める。
醤油を加え、さらに炒める。
塩・こしょうで味を調える。
香茸と豚肉のオイスターソース炒め
豚肉との相性が良く、香茸の風味が際立つ一品です。
材料:
香茸(戻したもの):4~5個
豚肉(薄切り):200g
オイスターソース:大さじ2
ごま油:大さじ1
にんにく(みじん切り):1
片作り方:
香茸は薄切りにする。豚肉も一口大に切る。
フライパンにごま油とにんにくを入れ、香りが出るまで炒める。
豚肉を加え、色が変わるまで炒める。
香茸を加え、さらに炒めた後、オイスターソースで味付けする。
香茸の天ぷら
外はサクサク、中は香り高い香茸の天ぷらは絶品です。
材料:
香茸(戻したもの):6~8個
天ぷら粉:適量
冷水:適量
揚げ油:適量作り方:
香茸は水気をしっかりと取る。
天ぷら粉と冷水で衣を作る。
香茸に衣をつけて、180℃の油で揚げる。
表面がきつね色になったら取り出し、油を切る。

小分けをして販売しています。
香茸は、その独特の香りと風味で、日本の食文化において特別な位置を占めています。伝統的な日本料理に限らず、様々な料理ジャンルでその魅力を発揮し、食卓を豊かに彩ります。プロの調理師やシェフの皆様は、香茸を使って、伝統的なレシピに新たな風味を加え、その魅力を存分に引き出してください。香茸の独特の風味を生かした料理は、食事の場を一層豊かにし、特別なひとときを演出することでしょう

株式会社 松本
https://matumoto.co.jp/
株式会社松本は、食文化と歴史を少しでも多くの方に知ってもらい本物の味を味わってもらいたいと願っております。
この記事を書いているのは、金沢市・近江町市場の一角に店を構える、1958年創業の業務用食品卸会社「株式会社松本」の松本信之です。
当社では、全国でも希少となった選りすぐりの食材を仕入れ、あるいは独自に加工し、全国のホテルや料亭などの飲食業界・フードサービス業の皆様へお届けしています。
■ 私たちの仕事は、食材に“新しい価値”を吹き込むことです
料亭で供される一皿の料理。その一皿の背後には、実に多くの人の手と想いが込められています。
株式会社松本は、そうした日本の繊細な味、美しい料理を支える「食の裏方」でありながら、単なる卸売業ではありません。
私たちは、料理長とともに悩み、考え、試作を重ねながら、食材そのものの提案や新商品開発を行っています。ときには生産現場に足を運び、農家・漁師・海女さんなどの一次生産者や、食品加工業者と連携し、一貫した食材ストーリーを形にします。
「卸売業でありながら、商品企画・開発まで行う」。
気がつけば、私たちは“ファブレス企業”となっていました。
※ファブレス=“ファブ”(工場)+“レス”(ない)。つまり、自社で工場を持たない製造開発型企業のこと。
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私たちが目指すのは、ただの商いではありません。
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代表取締役 松本信之
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