農家の未来を考える

お取り寄せした・鎌倉野菜

野菜の味と栄養が消えてしまった

子供の頃、みんなピーマンやほうれん草は大嫌いでした。ピーマンはやたら苦く、ほうれん草はえぐ味いっぱいで、ポパイの漫画を見て食べれば強くなれると我慢に我慢をして食べたものでした。
でも大人になればあの味が懐かしく、美味しく感じる今日この頃です。

最近の野菜は、食べやすさ至上主義に陥っています。 「野菜の味が昔と違う」 「水っぽくて特有の匂いや味がなくなった」 「姿かたちは綺麗になったけど、基本的にはみんな同じ味」、味だけでなく栄養もそうで1日に必要なビタミンCをほうれん草だけで摂ろうとすると、50年前は2株で足りたものが、現在は9株が必要だそうです。

少ない栄養分はサプリメントで取れ!
下手なSF映画の未来都市を目指しているのでしょうか。

鎌倉野菜を食べ歩く

鎌倉野菜サラダ

鎌倉野菜サラダ・雪乃下風

 今日はちょっとそんな話。2月21日の鎌倉・小町通り近くの Brasserie 雪乃下 にトリップしましょう。

「鎌倉野菜のバーニャカウダ添えです。下の穀類・豆類は食べられませんのでお気をつけ下さい。」 立体感のある綺麗な盛付けに仕上っていました。

 前日の夜に食べに行った横浜の居酒屋 「なかめのてっぺん」 では鎌倉野菜を大きなマスにいれて色よく盛り込んでありましたが、このお店は、庭園風盛込みと自称するだけの事はあってなかなかの風景。どちらかといえば盆栽風かしら。
赤・白・黄色・ピンク・茶色・もちろん緑色の配色もよく食欲をそそります。野菜をステックにして差し込むベースは色とりどりの穀類。これで誰でも盛込むことができボリューム感も出せるいいアイデアです。

鎌倉野菜・大マス盛り

鎌倉野菜・大マス盛り・なかめのてっぺん

単価は1000円少しですが、店にとっては原価率20%程度の儲け口です。野菜よりバーニャカウダの原価の比率が高いくらいですが、お値打ち感は大きい。いかにお客様に満足してもらって、お店も満足するかの模範解答です。

 その夕方のイタリアン・ GRIP ORGANIC のサラダもそうですが、鎌倉野菜は実に色とりどりで栽培している畑は 「七色の畑」 と言われている位、一軒の農家が多品種で減農薬の野菜を栽培しているらしい。だから普段ならサブに過ぎないサラダがメインの料理になってしまいます。

しかも実に野菜の味が濃い。甘い! でも、これはおそらくバーニャカウダの味か、ドレッシングの味の影響が強く、野菜の味を強くしているはずと思い、その店のドレッシングを購入して金沢で試してみました。 (我ながらいやらしいですね~。でも仕事ですから・・・笑い。) ですが、食べるとまったく味が違う! 「これはいつも食べているサラダだ!」

オーガニック・サラダ

オーガニック・サラダ

本当に顧客の望んでいるものは何に?

 本当に野菜の力だったのだ! 疑い深い自分はネットで鎌倉野菜を購入して、再度試食しました。  「これ、この味!」  これほどまでに野菜の味が違うのか!
 と、いう事は、今の農家の進むべき方向がゆがんでいるのではないか? 
戦前と違い日本中に生鮮野菜があふれ、冬でも野菜がないということはなくなりましたが、JAにおんぶに抱っこされ、注文しなくても農家の玄関にはJAが必要と思うだけの農薬が、化学肥料が、ドカンと積まれているらしい。JAは最高のサービスですよね。
大量生産と生産効率を追ってきた農家の結果が今の日本の野菜の味です。加賀野菜、加賀野菜と浮かれる前に、目の前の現実を直視したほうが良いのではないでしょうか。