【輪島の夏の奇跡】 天然岩もずくが帰ってきた! ~海女さんの手摘みと自然の再生力~

解禁初日で海に潜る海女さんたち

解禁初日で海に潜る海女さんたち

石川県・輪島から、心がほっこりする夏のニュースをお届けします。主役は、毎年この時期に登場する「岩もずく」。でも、今年の岩もずくには、ちょっと特別なストーリーがあるんです。

能登の海が復活

7月1日、夏の訪れを告げるように、石川県輪島市では「岩もずく海女漁」が解禁されました。この日は早朝7時から、輪島港から東に約15キロ離れた三ツ子浜の沖合で、漁が始まりました。海女さんたちは、小舟で沖に出て、深さ5〜8メートルの海に素潜りして岩に付いた「もずく」を手作業で丁寧に摘み取ります。これが「岩もずく」と呼ばれる所以です。

食べてみると、養殖ものとは全然違う!シャキシャキとした歯ごたえ、しっかりとした粘り・ヌメリ、そして磯の香り…。一度食べたら「これ、モズク!?」とびっくりするはずです。

これが送られてきてすぐの岩モズクです

これが送られてきてすぐの岩モズクです

でも…、岩もずくが「ゼロ」だった年が続いた!?

じつは、2021年から2023年までの3年間、輪島では岩もずくが1キロも採れないという異常事態が続いていました。関係者の方々も「もう採れないかもしれない…」と心配していたそうです。

能登地震の影響調べるため海底を調査・北國新聞より

能登地震の影響調べるため海底を調査・北國新聞より

そして迎えた2024年1月1日。能登半島地震が発生し、海底の隆起でモズクが育つ「藻場」が失われたとされました。今年も収穫は難しいだろうと、ほとんどの人が覚悟していたそうです。

岩モズクを探す海女さん

岩モズクを探す海女さん

それでも岩もずくは戻ってきた!

ところが!2024年7月1日、海女漁の解禁日に海に出てみると…なんと、能登全体で約300キロ、そして輪島でも岩もずくが採れたんです!
「まさか、また採れるなんて…」 「本当に嬉しい!」
「輪島でも採れた!」 「海は生きてる…」

関係者の皆さんは、驚きと喜び、そして安堵の気持ちでいっぱいだったそうです。

自然の回復力と、海の恵みに感謝する瞬間ですね。輪島の岩もずくは、ただの“海藻”じゃありません。自然の力、そして海女さんたちの手仕事が詰まった「夏のごちそう」です。
この数年、姿を消していた岩もずくが、地震という試練を乗り越えて戻ってきてくれた。そのことに、なんだか大きな希望を感じませんか? もし見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。そして一口食べて、海の恵みと輪島の夏を感じてくださいね。

全国の岩モズクの比較です。

全国の岩モズクの比較です。

「岩もずく」 をもっとおいしく食べる方法!

塩抜きのコツ

ボウルに水1リットル+塩10gの薄い塩水を用意します。
岩もずくを入れて、やさしく4~10分ほどほぐします。
ほんのり塩味が残るくらいで取り出し、水洗いして水を切ってください!

    ※長時間はダメ!食感と栄養が逃げちゃいます!

湯通しのポイント

沸騰したお湯にさっとくぐらせる。(またはお湯をかける)
色が鮮やかになったらすぐ冷水へ! 
これでシャキシャキ感とぬめりがベストな状態になります♪

※加熱しすぎると栄養が逃げてしまうので注意!

岩モズクを戻します

 岩もずくの魅力まとめ

食感と香り : シャキシャキ感と磯の香りが格別!
希少性  : 限られた時期にしか収穫されない天然もの
料理の幅  : 酢の物はもちろん、味噌汁や天ぷらにもぴったり!

輪島の自然と人の手が育てた岩もずく。一度味わえば、その美味しさと希少価値にきっと虜になるはずです。
見かけたら、迷わず手に取ってみてくださいね。

養殖とはまったく違う、天然の味わい

市販されているもずくのほとんどは沖縄県産の養殖もので、実に国内流通の99.6%を占めています。これに対して、輪島の岩もずくは天然もの。食べてみれば、その違いは一目瞭然、いや一口瞭然

シャキシャキとした歯ごたえと、粘りの強さが特徴で、「体に良さそう!」と感じる自然の恵みをダイレクトに味わえます。
健康志向の高い方にとっても、魅力たっぷりの食材です。

海女漁は家族のチームワーク!

この漁は、家族ぐるみで行われるのが一般的。旦那さんが船を操り、海女さんが潜って採取し、船に戻ったら冷えた体を温めます。その間に、旦那さんがもずくを塩もみして加工します。この連携プレーが美味しさの秘密でもあるんです。

岩もずくは超・希少食材!

ちなみに、岩もずくの漁は年にわずか2〜3回だけ。その年の収穫が終わると、次はまた翌年までお預け。だからこそ、スーパーなどではなかなか見かけることのない、貴重な逸品なのです。