ミシュランシェフが教える手打ちそば・後半

ソバを切る音だけで美味しさが伝わります。

ソバを切る音だけで美味しさが伝わります。

料理の味を決めるのは素材選び。そば粉はもちろん、そばを締める時に使う水も、だしを引く水も、「茶席の水」に使われる霊峰・白山の雪解け水がしみ込んだ地下160mから組み上げられた200年水。

調理人はひとつひとつの素材を突き詰め、その素材の味を最大限に引き出すだけ。
それがまた難しい。 調理とは、人間が食して問題ない状態に加工すること。
料理とは、食事を快楽といえるまでに加工すること。この違いは大きいです。

今回使用した「寒ざらしそば粉」は、江戸時代、徳川家にそばを献上するために考えられた手法です。 秋に収穫した玄そば(殻つきのそばの実)を、冬の厳寒期に冷たい水につけ、これを寒風にさらして乾燥させたものです。これにより余分なアクや渋み、雑味が抜け、甘みとソバ特有の風味が強くなるうえに、美味しいそばの条件の一つである「喉ごし」もなめらかになります。

「御料理 鈴おき」 二代目主人 鈴置善太  
ミシュランガイド・一つ星のオーナーシェフ 料理の〆は、信州・小諸産の「寒ざらし」のそば粉 素材選びも、打ち立てを出すのもおもてなしの原点。
電話: 076-274-2502