加賀料理が無形文化財に!受け継がれる“食”の総合芸術

加賀料理が無形文化財に

加賀料理が無形文化財に

加賀料理が、なんと無形文化財に認定される見通しになりました!これは、ただの「料理」ではなく、代々受け継がれてきた人の「技」や、地域の暮らし・精神を映し出す大切な文化そのもの。文化庁の発表でもその価値が強調されています。

江戸時代から続く、加賀料理の魅力

加賀料理は、江戸時代の加賀藩が取り組んだ文化振興策のなかで、豊かに育まれてきた料理文化です。特に、前田家による手厚い保護のもと、武家文化とともに美術工芸や茶道なども大きく発展しました。

一人用の鯛の唐蒸と鴨の治部煮(つば甚さんにて)

一人用の鯛の唐蒸と鴨の治部煮(つば甚さんにて)

こうした文化的背景が、陶芸や漆芸などの食器文化を支え、食材を引き立てる器の美しさにも影響を与えました。豊かな海の幸や山の幸にも恵まれたことから、季節感と美しさを大切にした、華やかでメリハリのある料理スタイルが確立されたのです。

コンロにて熱々を召し上がれ!鮎の塩焼と能登の干口子(バチコ)

コンロにて熱々を召し上がれ!鮎の塩焼と能登の干口子(バチコ)

単なる「料理」ではなく“総合芸術”としての評価

今回の文化財答申で注目されたのは、代表的な料理「治部煮」や「鯛の唐蒸し」など。しかし、評価されたのはそれだけではありません。

・料理
・器
・しつらい(おもてなしの演出)
・接遇(接客の所作や心配り)

これらすべてが一体となった「総合芸術」としての加賀料理が評価されたのです。まさに、食を通じた文化体験そのものです。

文化庁ホームページにおいても
「これは人々が代々受け継いできた人間の『わざ』そのものであり、地域の暮らしや精神を今に伝える大切な文化資産である」との表現がなされており、
今回の指定の意義が文化的・社会的観点の両面から評価されていることがうかがえます。

私たち“裏方”にとっても、誇りと希望の知らせ

加賀料理を陰で支える食材納入業者として、今回のニュースは本当に誇らしい出来事です。これを機に、もっと多くの人に加賀料理の魅力が伝わり、国内外から関心を持ってもらえることを願っています。

この料理の奥深さと美しさを、ぜひ一度体験してみてください。きっと、五感で味わう「文化」に触れることができますよ。