7月24日、連休2日目の近江町市場、観光客であふれてはいるが・・・・
■ 昼2時を過ぎるとお客さんが一気に引いていくのが現実
コロナは石川県では第一波が何とか終息に向かっていたかに見えましたが、GOTOトラベルの適用を受け7月23日からの連休で金沢は半年前を思い出すほどの観光客であふれています。
「良かった。」「少し元に戻った。」と安心するのはいかがでしょうか。
いま一息ついているうちに次のビジネスを考えるべきだと思うのです。
よく観察するとそのほとんどは日本人の20代の若者で消費額の大きい50代以上の大人は数えるほどです。今日までの統計によれば20代、30代の人で亡くなったのは持病をもっていた一人だけで、重症化しないと安心しているのかもしれません。
この傾向は金沢だけに限らず全国的な傾向ですので、はたして二週間後がどのような状況になっているのか不安です。
第2波、第三波が来ないことを前提にすれば、この影響を最も受けたのは飲食施設でした。
金沢のシティホテルでは営業していたのは金沢日航ホテルと金沢国際ホテルだけでビジネスを含むほとんどの宿泊施設は一ケ月以上の休業との事態となりました。居酒屋・料亭なども同じで、そこに食材を卸している我々はもちろん魚屋や酒販店も80~90%減と散々な結果でした。
しかし下には下があるもので加賀地方に多い観光土産のお菓子を作っている工場は観光客が来ない為に売り先もなく、在庫のお菓子は賞味期限がくるために施設に寄付したり、廃棄したりしているそうです。しかもそのお菓子工場に食材を卸している会社の売上はなんと、例年の1/100!
週に一回に四時間ほどメンテナンスの作業をするだけとか・・・。
魚介類もマグロや甘鯛・アラなど高級魚の入荷は少ないのに卸値はほぼ30%安、ものによっては半額で、大手スーパーでの大衆魚は少し高めでした。高級魚が安いのならスーパーがその販売に力を入れればいいと思いますが、鰺や鰯などいつも同じ魚ばかりを売っていたスーパーでは、いままで一般の人になじみがなかった魚に力をいれていませんでした。
大手スーパーは目先だけにとらわれていて将来に対しての努力不足ですね。
一方、魚種の数こそスーパーとは比較になりませんが、それでも近江町ではバブルの時と比べて半分以下の種類となっています。毎日毎日、今日はどんな魚が入っているかと楽しみにしてきた板前さんやコックさんの数が、めっきり減ったのはここに遠い原因があります。
いつも同じ魚ばかり並んで、どうして新しい料理を作ろうとの意欲が沸くでしょうか。同じなら電話注文で十分です。そして板前と業者とのつながりが薄れ、情報がとだえ、料理の革新は止まってしまいます。
売れないから仕入れない。仕入れないから市場に板前・コックが来ない。珍しい魚は下魚へと落ちて、市場の必要性は薄れ、市場の地位は落ちていくばかりです。悪循環が繰り返されています。
飲食店向けの野菜を卸している農家のみなさんも生鮮であるだけに、売り先が休業で出口がなく大変な思いをされたことと思います。
洋食のレストランの希望から次から次と西洋野菜などの新しい野菜が登場していますが、魚介類の二の舞にならないように、一般家庭に知られ啓蒙して、届けられるような工夫をお願いします。
そのみなさんの努力が「金沢を世界一の美食のまち」に育てていく原動力となります。微力ながら私どももそのお手伝いをさせていただきます。
*株式会社・松本は、お客様や農家さんと共に新しい味を、新しい価値を作り上げ、スペインのサン・セバスチャンのように、「金沢を世界一の美食のまち」に創り上げていこうと考えています。
(6/30にニュースレターに記載したものを7/24に加筆しました。)