岩のり採り

食材の旅 厳しい自然が育てる岩のり 

松本社長の開発ストーリー 岩海苔編

 

岩のりは、冬の食卓に欠かせない、奥能登 ・ 母親の味です。

株式会社松本では、生産者や収穫者と直接コミュニケーションをとり、安心・安全で質の高い食材の確保を行っております。

~ 松本社長の食材の旅 ~

シリーズの3回目は、奥能登の荒海で育った天然の味を求める物語です。

岩海苔採りのお母さんと

岩海苔採りのお母さんと

 今回は奥能登、珠洲が舞台。石川県でも最北端です。岩のり収穫をお願いしているお母さんを訪ねました。

岩のり採り

岩のり採り

現場は冬の日本海。ザッバ~ンという荒波のイメージそのものの海岸です。
岩に砕けた波に空気が混ざり石鹸の泡のような水泡となり、空中に雪のように舞って  「波の花」 となって海岸一帯をおおいつくします。海が汚染されていると、波の花は出来ませんので、波の花は海がきれいな証拠なのです。

■ 岩のり採りは命がけの仕事です

 そしてシベリアから吹きおろす強烈な風が吹き荒れ、波が砕け、波の花が舞う岩場では、自然に岩々の表面にぬるぬるとした海苔が生えてきます。これが 「岩のり」 で、寿しで使う 干した海苔 とは違って、潮で湿り、ボタボタの状態になっているので輪島では 「ボタノリ」 とも言われます。

送られてくる岩のり

送られてくる岩のり

収穫は 「命がけ」 という言葉そのものです。命綱も着けずに波打ち際の岩に登り、岩に張り付いた海苔を採っていきます。冬の日本海は、シベリアから吹き下ろす冷たい風で海は荒れ、雷鳴は鳴り、大雪が降り、晴れの日はごくわずかです。

そのほんのわずかな日で波の静かな時のみ収穫が可能となります。それでも予想外の高い波で海水をかぶったり、最悪の場合は波にさらわれたりして不幸な事故があとを絶ちません。また嵐がやってくれば、それまでやっと育った岩ノリを波が根こそぎさらっていきます。

神馬草の生

ギバサ(神馬草)の生

冷たい荒波が岩ノリを産み育てるのですが、それが強すぎればすべてがゼロに戻るのです。そのため月のうち一回も収穫が出来ないことも何度もあるのです。いかに貴重な食材であるということが理解いただけるでしょうか。

その過酷な現場ゆえに、また能登自体の過疎化・高齢化も進み、続けていく人がどんどん減っているという状況です。

神馬草をボイルすると真ッ青に

ギバサ(神馬草)をボイルすると真ッ青に

 私どもの店も2000年からこの珠洲の天然・岩のりを扱うようになりましたが、そのお母さんもいまや80才を過ぎ、年を重ねるごとに岩のりを摘みに出る機会も減っていきました。こちらも無理にお願いをして、もし万一の事があれば責任を取れませんので、ご本人とご家族にご相談をさせていただき、今の若い(?)お母さんを紹介していただきました。おかげさまでいまは、なんとかに入荷できるようになりました。

採れたて かじめ

採れたて かじめ

 能登の岩のりは日本海の荒波で育つため、しっかりとした磯の香りがあり、栄養価も高いと言われています。しかもコンクリートで作られた岩のり畑ではなく、ゴツゴツとした本物の岩礁で収穫された岩のりは一段と味も香りも高いと評価されています。

当社のお客様には常に少しでもよい商品を提供するように心がけ、かつ収穫される方をバックアップするためにも、高級食材として評価していただける所に販売することにより、生産者の方の努力が正当な評価を受けられるようにするのも私たち株式会社松本の役割です。

 おもに岩のりは、料理屋さんでは吸い物の椀種として使われ、お椀のフタを開けた時に一気に磯の香りが広がり食欲を刺激します。また刺身のあしらいや酢の物として使われますが変ったところでは小鍋にて 「岩のり鍋」 としても提供されます。

カジメをボイルしました

カジメをボイルしました

水で戻すと大きく増えますが、養殖や人工の岩礁で作るものと違い、自然の岩に付着するものですので砂がかむことがありますので丁寧な水洗いが必要です。

■ 能登のソウルフードは、海の恵み・海藻です

 また寒波が過ぎ、岩のり採りが終われば、今度は 「 はばのり 」 「 ぎばさ (神馬草)」 「 あおさのり 」「 かじめ 」などの海藻 ・ 海の幸がいただけるのです。
海と暮らす能登の人々は、昔から一年中海藻を食べる習慣があり、旬 の時期は生で食べ、それ以外は乾燥させて保存食にました。

ねぶた温泉 海游 能登の庄

ねぶた温泉 海游 能登の庄

昔は割った竹に味噌で味付けした ギバサ をぐるぐると巻きつけ囲炉裏端で焼いた 「くしめ」 という料理が一般的だったそうで、遠赤外線で外はパリッと中はふっくらと焼け、磯の風味が増してそれはそれはおいしかったそうです。

 輪島のねぶた温泉 「能登の庄」 の調理長は、30年来の古い付き合いの 林 彦義 さんで春先に、ここにランチを食べに行ったところ、大き目の松葉串に岩のり、ギバサ、刻んだカジメをぐるぐると巻き付け、小鍋仕立てにしてある海草しゃぶしゃぶをいただきました。

調理長・林 彦義

調理長・林 彦義

出し汁にいれるとサッと真っ青に色が変わり、磯の香りがして、とても趣のある良い料理でした。

 金沢市の柿木畠にある蕎麦屋、 「 更科・藤井 」 さんも岩海苔を提供しているお店の一つです。麻布の 「 更科堀井 」 で修行を積まれたご主人による、金沢では珍しい江戸前蕎麦を提供するお店です。

藤井のカウンター

藤井のカウンター

 

ここでは、蕎麦をはじめ一品料理などに 岩のり が使われております。海苔そのものは脇役的な存在ですが、すべての食材にこだわっている顕れですね。

 このほか乾燥して浅草のりの状態にした 「 はばのり 」 や、ナマコの卵巣を干して作る 「 くちこ 」 も提供させていただいております。

藤井のそば切り

藤井のそば切り

 私たちは本当の美味しさを求めて、そして安全で安心な食材を求めて、今日も産地へ向かいます。この季節だけの旬の食材を求めて・・・。

手打そば 更級藤井(さらしなふじい)
【住 所】 石川県金沢市柿木畠3-3
【電 話】 076-265-6870

開発ストーリー 加賀れんこん農家を応援

松本社長の開発ストーリー 加賀れんこん編

 蓮根部会がアツイ! 蓮根畑の中心で、夢を語る

株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の新商品開発をお手伝いさせていただいております。

~松本社長の新商品ストーリー~

シリーズ3回目は、加賀れんこんについてです。

泥水に咲く美食です

泥水に咲く美食です

 

日本でレンコンといえば茨城産や徳島産が一大産地ですが、その品質となると加賀レンコンが飛びぬけているというのが全国の料理屋さんの評価です。
他の産地よりも澱粉質が多く粘りが強く、最初はしゃきしゃきで後はねっとりで、ハス蒸しにするのにもツナギを入れる必要がないのが特徴ですが、その生産量は全国10位でしかなく、1位の茨城県の1/30しかありません(平成22年)。
それなのにそれだけの評価がいただけるということは、単なるマスコミの評価や一過性のものではないといえるでしょう。

水をかけて取り出します

水をかけて取り出します

 

■ 若い力で未来を担うモデルケース

 また日本の農業就業者の平均年齢は 65.8 歳で65 歳以上の割合が6割、75歳以上が3割だといわれるなか、この加賀レンコンを作る農家だけは、従来の農家の外から新規で20代、30代の若者がどんどん参加してきています。
彼らは従来のしがらみにとらわれず、どんどん新しい農法を取り入れ、一人として同じ栽培方法をしていません。つまり  「みんな自分のやり方が一番だ!」 と思っているわけで、それが傍目からみると、このレンコン部会の一番の弱点ではないかと思われます。しかし、それだけレンコン作りに自分の未来を賭けているともいえるでしょう。その中の一人にスポットを当てました。

■ 脱サラだからこそ新しい栽培にチャレンジできる

 建設業の現場監督から蓮根栽培農家へ転身した異色の経歴を持つ東さん。当初は、組合長から、栽培法、掘り方、箱詰めまでを手取り足取りで教わったそうです。もともと当社のスタッフの親戚でして、その関係からご縁を結ばさせていただきました。

東さんは現在、「ポーマン(R)栽培」と呼ばれる農法で蓮根づくりにチャレンジしています。前年から農薬を1/5に減らしたものの、それでも朝 畑へ来てみると一面にたくさんの虫が死んでいる状況を見て、こんなやり方で作ったレンコンを自分自身ではとても食べられない。と思ったのが、無農薬農法に取り組むきっかけだったといいます。

はす蒸しを仕込みます

はす蒸しを仕込みます

 

彼が作る蓮根は、畑で節をカットした部分からは粘り気のある白い液があふれ出ています。市場にでているものより粘り気が多く、味もしっかりとしています。しかもはす蒸しを作るために生をすったものでさえ甘みが感じられます。

これは自分の舌だけで簡単な評価は危険だと考え、自分の取引先の多くの料理屋さんに持ち込みましたが、最初は 「加賀レンコンならみんな同じじゃないの」 といっていましたが、実食された、ほとんどすべてのお客様が 「これは美味い」 との評価をいただきました。ただ一軒のみが他と同じとの評価でしたが、詳しくどんな料理をされたのかと聞くと 「酢レンコン!」 という事で、改めて天麩羅とか煮物、はす蒸しで使ってみてくださいと再度お願いしたところ 「これは美味い」 と再評価をいただく結果となりました。

■ 切磋琢磨で味の向上と日本一の農家を目指せ

全国的に名をはせる先輩たちが多い蓮根部会。質も量も、蓮根栽培の先輩たちに追いつけ追い越せで頑張ってほしいですね。

日本一のレンコンです

日本一のレンコンです

 

レンコンの煮物はお正月のお節料理に必ず使われる縁起のよい食材といわれていますが、その由来は、穴があいているので  「将来を見通せるように」  という願いをこめたものだといわれています。

いまこの加賀レンコン作りに多くの若者が取り組んでいるのも明るい未来が見通せるからだと思います。当社としても1日でも早く、農業に従事する若者のお手伝いができるように取り組んでいきます。

現在、加賀伝統野菜の一つ、加賀レンコンを贅沢に使ったスイーツも手がけています。実は、こんなところにも、株式会社松本のアイデアが詰っているのです。

[豆知識]
金沢市小坂地区・河北潟干拓地・薬師谷地区・才田地区・森本地区で収穫される蓮根は「加賀れんこん」と呼ばれています。金沢市が指定するブランド野菜の加賀野菜の一つです。
加賀野菜 http://www.kanazawa-kagayasai.com/
蓮根部会 http://www.is-ja.jp/kanazawa/

加賀れんこん  販売者 株式会社 松本

まとう鯛(車鯛)昆布〆 土佐酢にて

隠れ里にある ・ 小松 つづら

金沢から今は8号線になっている加賀産業道路を真直ぐに目的地の「小松・つづら」さんに向かいます。

えーと、この辺で右に入ってひと山越えると・・・
あれ~右に曲がれない。中央分離帯の代わりにポールが立っていて曲がれない。
何処まで言っても車線の真ん中にポールがあってUターンできません。結局はインターまで行って金沢方面へ戻りました。

曲がるはずだった小道を左に入り、昼まだ暗いうっそうたる竹やぶの中を右左と進んでいくと、目の前が急に広がり真正面に目指す 「つづら」 さんが私たちを待っていてくれます。まるで俗世界から別世界へと通じる道を通って隠れ里にやってきた雰囲気です。

ここの主人であり調理長の池田 氏は、かってギネスブックに 「世界で最も歴史のある旅館」 と出ていた粟津温泉・法師の調理長を長年勤め、小松駅の近くで独立して、06年秋には、どうしてもこの隠れ里の地に店を移したいと自分の思いをすべてこの純日本建築の店に詰め込んで現在の地に場所を移しました。
日本人としてこの店を見て、中に入るだけで一見の価値があると思いますよ。そして最初のお店は池田さんの弟子が受け継ぎ「和餐・伸」として営業をしています。

さてここ 「つづら」 さんとうちとの付き合いが始まったのは5年ほど前からでした。当時、つづらさんで調理師として働いていたU君が家庭都合で辞め、昼だけの仕事を探してうちへスタッフとして勤め始めたのが縁の始まりでした。

彼の調理師の経験は、調理場へ食材を届ける私たちの会社にとって非常に役に立ちました。スムーズに仕事がはかどるのです。また商売のセンスもありました。しかし調理師だからすべて良い訳ではありません。人間として問題のある人も多くいます。
しかし彼は礼儀正しく、仕事をするにあたっての段取りに無駄がなく、他のスタッフの動きを見てフォローにまわれるなどチームワークも抜群でした。

これは持って生まれたものもあるかもしれませんが、ほとんどが後天的なもの、いうならばつづらの親方(調理長)である池田 氏の仕込によるものです。 「親見たけりゃ子を見ろ」 とのことわざがありますが、親子では甘えがありますが、親方と弟子では甘えがありません。人間的にも厳しく育てられたものと思います。

こんな親方(池田 氏)が作る料理です。美味しくないわけがありません。親方は 「ただお客様により心地よい時間を過ごしてほしい。ただそれだけですよ」 と笑っていいますが、古来より多くの先人が作り上げてきた日本料理の技を、そしてお茶の心を真正面から受け止め、引継ぎ 「つづら独自の世界」 を作り上げ、それを今度は次世代に引き継ごうとしているのです。

それが自分の仕事だと、使命だと判っているからこそ、弟子には厳しく当り妥協は許さないのです。我々はただ つづら さんの料理を楽しむだけで十分なのです。

つづら : はじまりはじまり

つづら : はじまりはじまり

前菜盛込み : 杉箱で

前菜盛込み : 杉箱で

ずいきと蓮根の白和え、厚焼玉子、クルミ豆腐

ずいきと蓮根の白和え、厚焼玉子、クルミ豆腐

おしのぎ マグロとイカの寿し イカは塩とスダチで

おしのぎ : マグロとイカの寿し イカは塩とスダチで

冷やし椀 : たっぷりの氷を添えて

冷やし椀 : たっぷりの氷を添えて

甘栗かぼちゃのすり流し 天にはブロッコリー

甘栗かぼちゃのすり流し 天にはブロッコリー

刺身

刺身

まとう鯛(車鯛)昆布〆 土佐酢にて

まとう鯛(車鯛)昆布〆 土佐酢にて

蒸し物

蒸し物

もち粟蒸し 生姜庵

もち粟蒸し 生姜庵

強肴 : いちぢく胡麻掛け

強肴 : いちぢく胡麻掛け

食事 : 冷やし細うどん 温玉

食事 : 冷やし細うどん 温玉

水菓子

水菓子

まるごとトマト ハチミツレモン漬

まるごとトマト ハチミツレモン漬

お抹茶(お薄)

お抹茶(お薄)

    7月13日 昼にて

つづら
〒923-0834 石川県小松市千木野町3丁目81
0761-23-3389

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食材の旅 季節を感じて美味しくいただく山菜採り

松本社長の開発ストーリー 山菜採り編

山菜のほろ苦さとアクの強さが美味しさ秘密です

株式会社松本では、生産者や収穫者と直接コミュニケーションをとり、安心・安全で質の高い食材の確保を行っております。

~松本社長の食材の旅~

シリーズの2回目は、山菜採りの名人とともに、崖を登り沢を下る物語です。

山菜採り

山菜採り

 山菜は山や野に自生しているもので、食用にする植物のことをまとめて 「山菜」 と呼びます。今回は、山菜採り名人の舞島さんと、春の山菜を探しにでかけました。

趣味で山菜採りをされている舞島さん。毎年、限られた数量ですが、季節の山菜をご提供いただいております。たらの芽に始まり、こしあぶら、こごみ、わらび、山独活(うど)、かたは、細竹、珍しいところでは、かたくりの花、モミジガサ と採ってきていただいております。

■ 子供にも秘密の隠しポイントを教えてもらいました

これが こしあぶら です

これが こしあぶら です

 そこで今回の取材のため一緒に連れて行って欲しいとお願いしたところ、金沢の中心地から一番近いところへ連れて行っていただきました。

これは異例のことです。というのも自分だけの穴場は誰にも教えないのが普通だからです。例えば、父や祖父が毎年山ほど山菜を採ってきていても、亡くなってしまうと、その場所がどこにあるのか、誰も分からずじまいになってしまいます。なぜなら、山菜のありかは、親兄弟でも教えてはいけないと言われたほど貴重なものだったからです。

こごみ です

こごみ です

山の中を歩き回ります

山の中を歩き回ります

 

ですから、詳しい場所はお伝えできないのですが、湯涌温泉からさらに山に入ります。前にあるのは道なき道。時には崖を登り沢を下り、とても定年過ぎとは思えないほど軽やかな歩みです。しかも見つけるのも早い! ピンポイントで山菜の場所に見当をつけ、次々に採っていきます。負けじと追いかけるのですが、写真を撮るときだけ笑顔を作るのですがついていくのだけでかなり必死です。

■ 春は命をいただく感謝の季節です

こしあぶらをゲット

こしあぶらをゲット

すすたけともいいます。

すすたけともいいます。

 

 この日のお目当ては独活(うど)とタラの芽。金沢市内の高級料亭やホテルにお届けするための食材です。天ぷらなどで使われています。

急斜面を上ります

急斜面を上ります

 

日本は四季のある世界でも珍しい国です。料理を作る素材は当然その四季の移ろいと共に変ります。春は山菜など「新芽」を食べる季節です。
冬のあいだ寒風にさらされ、あるいは雪の下でじっと縮こまっていた命が、春の訪れと共に土の温度が上がりいっせいに動き始め、ありとあらゆる生命が、色々な植物が芽生えてきます。

春はそういう芽を食べる季節なのです。春に収穫される山菜を食べるということは、その命を食べるということです。季節、自然の恵みをストレートに味わってください。

かたくりの花の群生地です

かたくりの花の群生地です

山菜の一番の美味しさは、あのほろ苦さとアクの強さでしょう。そのアクこそが美味しさの1つですので子供には難しく大人の味といってもいいでしょう。最近になって、たらの芽のように山菜を栽培する農家も出てきましたが、やはり食べ比べるとまったく味が違います。天然物を召し上がっていただくことで、はっきりとした季節の変化も楽しむのが、山菜の良いところなのではないでしょうか。

私たちは本当の美味しさを求めて、そして安全で安心な食材を求めて、今日も産地へ向かいます。この季節だけの旬の食材を求めて…。

刺身をアップで

人格が料理を作る ・ 雅乃

食通の間では金沢にいったら絶対にはずせない店として金沢の犀川河畔の 「雅乃」 は有名である。
ここの主人の下平 氏は、ミュシュランで星をもらっている京都・祇園の 「真舌」 さんで修行ののち金沢へ帰り、なんと26歳で「日本料理・銭屋」の調理長に抜擢されました。

そしてすぐに若手NO1といわれ12年間銭屋の板場を守りとおし、独立してからも20年以上たちますが、その技には円熟味がまし、京料理とも加賀料理ともいえない彼独特の優しい世界を作り出しています。

その顧客は金沢だけに留まらず、日本中からこの店の味を主人の人柄を求めて、隠れ家的な存在であるこの店の暖簾をくぐっていきます。ここの料理は 「人の人格が料理となってに現れる」 の典型なのです。

若い時は自分自身にも若手の指導にも厳しく当り、感情に流されることもあったはずだし、自分もその場を見てきていますが、彼の育てた弟子のすべてが、それぞれが一国一城の主となった今でも、彼をしたって寄ってくるところを多く目にしてきました。

怒っていた時、いえ、叱っていた時の彼らの間は、他人が絶対に立ち入ることを許さない世界であり、結界であり、傍目には厳しく見えても、その中ではふつふつと湧き上がる料理への情熱が、そして道を究めようとする 「同じ道を歩くであろう同士への愛情」 が伝承されていたのであろうと推測されます。

料理人に限らず職人の世界には何年たとうが、1度つないだその絆は一生切れることなく、再び相見まえれば、その関係は蘇るものらしいと聞いています。しかし会社関係の上下しか知らない一般の人間にとっては、信じられない、とってもうらやましい関係です。

彼とは30年近い付き合いになり、その子供たちとも一緒に旅行にいったりと家族同然の付き合いをさせてもらっています。 が、しかし実は彼は私のことが嫌いだったらしいのです。まだ私も20代で仕事を覚えたばかりで生意気だったと、振り返れば自分でも赤面する思いですが、いまだに自分と付き合ってくれる彼に、この場を借りて感謝したいと思います。

彼に俺もいまは、少しは丸くなっただろうと聞きたいところですが、おそらく 「のぶさんの体は丸くなったが、性格はまだまだ角ばかり!トゲばかり」 だと言うんだろうナ~。

彼は独立してからは、雑誌であろうがテレビであろうが取材自体を好みません。
そこには先代と女将と彼が共に育ててきた銭屋への遠慮もあるのでしょうか。
あるいは、取材を通した既成概念を持たずに、実際に素の状態で店に来ていただいて、その場の空気を感じて料理を召し上がっいただかないかぎりわからない世界がそこにあると考えているのでしょうか。推測するしかありません。

私の知っている限り、唯一取材を受けたのは、銭屋の創業から、また彼の調理長時代に銭屋を支えてくれた名随筆家の森須滋郎 氏が初代編集長でした 「四季の味」 のただ一回です。それもオープンのお祝いだからと無理やり、いゃ精一杯の誠意に応えるためだった、と記憶しています。

その意味で、今回の料理の撮影も彼の好むところではなかったと思いますが、私と娘が初めて二人っきりで食事をした記念として許しを得たものです。よってコメントなどの注釈はなるべく付けずに雰囲気を感じて欲しいと願うばかりです。

いちぢく利休掛け

付き出し いちぢく利休掛け

吸い物 太胡瓜寄せ・車海老クズ打ち

吸い物 太胡瓜寄せ・車海老クズ打ち

刺し身 縞海老・平目、いか

刺し身 縞海老・平目、いか を刺身醤油とイシル塩で

箸休め いわしつみれ

箸休め いわしつみれ

いわしつみれ

いわしつみれ

煮物 : 鰻・芋茎・冬瓜のあんかけ

煮物 : 鰻・芋茎・冬瓜のあんかけ

あんかけのアップでご覧下さい

あんかけのアップでご覧下さい

前菜盛り込み

前菜盛り込み

たこオクラたたき・しのび柚子

たこオクラたたき・しのび柚子

胡麻豆腐

胡麻豆腐

とろとろワカメ

とろとろワカメ

再度、前菜の全景

再度、前菜の全景

強肴 : 半生の干口子(くちこ)

強肴 : 半生の干口子(くちこ)

強肴 : アップでどうぞ

強肴 : アップでどうぞ

焼物大皿盛込み : 鮎塩焼き

焼物大皿盛込み : 鮎塩焼き

銘々盛り : 立酢を添えて

銘々盛り : 立酢を添えて

酢の物 : 蒸しアワビ

酢の物 : 蒸しアワビ

酢の物  のぞいてみましょう

酢の物  のぞいてみましょう

一品 : お楽しみに

一品 : お楽しみに

一品 : 加茂なす

一品 : 加茂なす

香の物 : 胡瓜

香の物 : 胡瓜

食事 : 細うどん

食事 : 細うどん

食事 : 枝豆の飯飯

食事 : 枝豆の飯飯

水菓子 : 自家製羊羹

水菓子 : 自家製羊羹

あっさりと

あっさりと

       8月13日 夜

雅乃
〒920-0975 石川県金沢市中川除町67−1
076-262-8026

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富有柿白和え

黄昏のむこうに見える・ 十月亭

たそがれの中の十月亭外観

金沢の観光といえば、少し昔(自分の大学生くらいの頃)ならば、

「兼六園」 (日本三大名園のひとつ) ・ 「尾山神社」 (加賀藩・藩祖 前田利家を祭る) だけで、コアな人にとって 「武家屋敷群」 (武家の古い町並み) が加わるくらいで、はやばやと能登や加賀の温泉へ流れていく男性客主体の団体旅行が主でした。

いま金沢の人気観光スポットというと 「21世紀美術館」 「近江町市場」 「ひがし茶屋街」 となっています。その変化に時代による日本人の旅に対する求めているものの変化を感じますね。

ハイシーズンといえばやはり夏で、雪の振る冬には、誰もいないという閑散たる風景と閑古鳥がなく悲惨な現状でしたが、ここ十年以上は暖冬で雪も少なく、長靴ではなく靴でこれるため観光客が増えています。

冬の金沢を訪れる2つの理由それは 「極上グルメ」 と 「極上の雪景色」

人気のAKBにあやかって 「金沢へAKB (甘えび、蟹、ぶり) を食べに行こう」 と、こんな贅沢な季節は冬しか無い!とばかり期待をいっぱいに胸に抱いて来ていただいています。

十月亭の玄関より

十月亭の玄関より

金沢でフードビジネスにかかわる私たちは、お客様すべてを一度きりと考えずに、金沢を宣伝してくれる無料の営業マンととらえ彼らの期待に応え 「また来たい」 と思ってもらえるよう努力しないといけないですね。

さて前出の 「ひがし茶屋街」 の石畳の道の両側には、江戸時代の雰囲気を残す昔ながらの古い町屋の紅殻格子 (金沢ではキムスコ 「木虫籠」 と呼ばれています) のお茶屋が並んでおり、一種独特の雰囲気を醸し出し、観光客があこがれる町並みを作っています。

丸障子

丸障子

そんなひがしの茶屋街を奥の方に進んでいくと、中ほど過ぎたぐらいのところに150年以上の歴史あるお茶屋を利用した金沢の名店・日本料理銭屋の姉妹店 「十月亭」 があります。

格子戸から差し込む陽の光りがとてもまぶしく、またカウンターから見る中庭に差し込む光がとても柔らかです。最近は伝統的な日本家屋もめっきり少なくなって、こういう光の陰影を見なくなってきているので、新鮮な光景と感じてしまいます。

十月亭の木漏れ日

十月亭の木漏れ日

昼間の茶屋街は多くの観光客であふれ、喧騒さえ聞こえますが、この街の真骨頂は日が暮れ、夕焼けに灯火が重なる時から。今でも軒灯がともる茶屋から三味線や太鼓の音が頭の上からこぼれてきます。五木寛之著 「朱鷺の墓」 の舞台としても知られています。

ほっと一コマ

ほっと一コマ

この黄昏から日付が変る時間帯には、他では味あうことの出来ない幻想に浸ることが出来ます。忙しい昼だけではなく、ゆっくりと時間を掛けて体験されることをお勧めいたします。

ここ十月亭では、去年から一見さんからリピーターを重視した戦略に転換しています。

付き出し 柿カマ

付き出し : 柿カマ仕立て、富有柿白和え・ひじき・椎茸・松の実・蟹・春菊

まずは一番大きかったのは、銭屋の本厨房でしっかりと銭屋のエキスを吸い取らせた若手調理師を送り込んだことでした。

もともと基本がしっかりと出来たところに、若手しかチャレンジ出来ない冒険心もプラスして、本店とはまた別の銭屋の料理が出来上がってきました。

吸い物

吸い物

海老真丈・白山なめこ・かぶ・柚子

海老真丈・白山なめこ・かぶ・柚子

観光客の方には東山の落ち着いた風情と共に、お昼のお手頃なランチを召し上がっていただいて金沢を体験してもらう。そして次回の金沢での夜の食事は 「今度は料亭に行ってみたい。」 と思ってもらう。夜は地元のお客様の普段使いのお店として、あるいは自分だけのゲストハウスとして利用されています。

いま茶屋街のある東山の地は、和・洋を問わず金沢の有名店が、若手料理人に集まり、切磋琢磨する場に変ろうとしています。「ひがし茶屋街」 という立地や建物に応じた料理を作り上げる十月亭の力量をご覧下さい。

刺身

刺身

甘海老・ヒラメ・カジキ マイクロトマト・浜防風

甘海老・ヒラメ・カジキ マイクロトマト・浜防風

揚物 : アナゴ玄米揚げ(人参 インゲン ごぼう)・松茸フライ・青唐・レモン おろしポン酢で

揚物 : アナゴ玄米揚げ(人参 インゲン ごぼう)・松茸フライ・青唐・レモン おろしポン酢で

前菜盛込み : 柿の葉にレンコンせんべい

前菜盛込み : 柿の葉にレンコンせんべい

揚げぎんなん松葉串、梨・生ハムとバジルの春巻、子持鮎、海老、牛タン、厚焼玉子の酒粕入り、塩麹きゅうり、紫芋茶巾、クリームチーズチーズ茶巾・南京種、イクラゆば掛け・わさび、サバ寿し

揚げぎんなん松葉串、梨・生ハムとバジルの春巻、子持鮎、海老、牛タン、厚焼玉子の酒粕入り、塩麹きゅうり、紫芋茶巾、クリームチーズチーズ茶巾・南京種、イクラゆば掛け・わさび、サバ寿し

焼物

焼物

かます両褄焼 ウニ・かいわれ・瓢亭玉子・すだち・トリュフオイルソース

かます両褄焼 ウニ・かいわれ・瓢亭玉子・すだち・トリュフオイルソース

強肴 : 鰆の照焼 白髪葱・里芋・三つ葉

強肴 : 鰆の照焼 白髪葱・里芋・三つ葉

食事・赤だし・香の物

食事・赤だし・香の物

舞茸ご飯

舞茸ご飯

水菓子 : 黒みつアイス 金箔

水菓子 : 黒みつアイス 金箔

10月31日 夜

十月亭
住所: 〒920-0831 石川県金沢市東山1−26−16
076-253-3321

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焼物 : あなご白焼き

お料理・五十嵐のプロローグは水辺の音

水辺のせせらぎの音や波の音、静かな雨音など、水の音を聞くと心が癒されると経験されている方は多いでしょう。

常に心地よいせせらぎの音が常に聞こえる通り 「せせらぎ通り」
その中でも香林坊109を始点とすれば、終点の貴船明神のすぐそばは、繁華街の喧騒も薄れ、木漏れ日の中に時間が止まっています。

空気中にはマイナスイオンが満ち、そよ風やせせらぎの中には心地よい「1/fゆらぎ」がみられます。私たちの心を癒してくれるのを実感できる恵まれた場所に新築されたその館はあります。

その非日常の世界へといざなう立地と、広々とした客席、高い天井、清潔な働きやすいオープンキッチンが、そしてなによりオーナーの手で作られるやさしい料理が見事にマッチして異次元の空間を作り出しています。

そう、その日の序曲は「お料理・五十嵐」へと導かれる、夕方のせせらぎの音が聞こえた時から始まるのです。そして二度目、三度目となるにつれて、その日常とはなれた別世界は深まっていくのです。

人が作り出す料理とは、自分の性格、生まれ育ち、すべてをさらしだす自分の分身。鏡。裸の自分をさらけ出すのが恥ずかしく、着飾った姿を出しているうちは、自分の世界を表現できません。

お客さんも、もう一度来たい、食べたいとは思いません。
決して心から満足してくれないのです。
素直にどうぞ今の自分のすべてを見てください。

いまはこれが自分の目一杯です。でも明日はもっと期待に応えます。
どうだ旨いだろう! どうだ美味いだろう! では、お客さんも疲れてしまいます。

料理にはその人の人となり、人格が現れます。
この壁を乗り切ったときに自分の世界が広がります。人を感動させる。また来たいと思わせるのはそういうことです。

刺身 : 2皿のうちのひとつ(料理は数が多いので抜粋です)

刺身 : 2皿のうちのひとつ(料理は数が多いので抜粋です)

今、予約の取れない店として評判になっています。
しかし彼には絶対に勘違いしてほしくないのです。安くてリーズナブル! たしかにそれも繁盛の一因かもしれません。でも、マグロが出た。のど黒が出た。だからお得!ではなく、金銭的なお得か、お得じゃなかった。ではなく。お客様が支払いをされた値段以上の価値があったかどうか。

使った食材の値段ではなく、相対的に満足されたかどうかなのです。
「また来たい」と思っていただけるかどうか?

お客様がお友達に、 「あの店、良かったよ!」 「あなたも行ってくれば」 と言ってもらえるかどうかなのです。決して「あの店、安いわよ~」ではないのです。

お客様もその繁盛の理由が心の中ではわかっているはずなのです。ただ世間の価値観の中から、言葉が見つからないだけと思っています。

お客様にもわかってほしいのです。「また来るよ」 「今度は友達と来るね」 これこそが料理を作るすべての者にとって最高の賛辞なのです。これがあれば彼らは日々精進し美味しいものを作る努力を惜しまないのです。

料理人を育てるのは、食べに行くお客様がすべてなのです。

焼物

焼物

アナゴ白焼き

アナゴ白焼き

さて彼とは彼が初めて料理の世界に踏み出したときからの付き合い。金沢の浅田屋さんを皮切りに県内外の料理屋で修行を積み奥能登の最果ての地  「ランプの宿」 で調理長を勤めて金沢に帰ってきてオープンしたのが去年の5月です。
実はその前年の秋にオープン予定がずれてずれて翌年になってしまいました。遅れた理由を本人は 「工事が遅れて・・・」 と言っていましたが、彼の作った城の中で彼の料理を食べてみて初めて理由がわかりました。

蒸し物

蒸し物

揚物

揚物

彼の料理は上手に考えてあります。
夜は5,000円からのコース料理ですが、アワビやウニのように高価ではない食材を使わなくてもお客様が満足できるように細かな工夫してあります。簡単に文字に書いてしまいますが、これは手間が倍以上かかります。アワビやウニならさっとそのまま出せば美味。むしろ何もしないほうが美味しいくらい。

しかし味がストレートに伝わらない高くもない食材は、一手間も二手間も掛けないと美味しくなりません。普段家庭で食べているなにげない 「食材を美味い」 と言ってもらうには、ひとつひとつの食材の奥に隠れた美味しさを引き出さなければいけないのです。これには相当の技術と仕込みの時間がかかります。
しかもコースの中で出る料理の数が馬鹿にならない。最低でも10品以上、下手をすれば14品が提供されます。
ただ数が多いだけなら素人でも出来ますが、お客様の満足を得るには一つ一つメリハリを付けて、全体を通じてひとつのストーリを形づけなければなりません。

酢の物

酢の物

これをこなしている彼が普通の工務店の店作りで納得できるわけがありません。さぞかし金は出さないのに口うるさい施工主だったと思います。
「ちょっとイメージと違うんですよネ。やり直してくれます。」  それが遅れに遅れた半年の理由でしょう。さぞかし悩ましきことが多かったでしょう。工務店の方々、お疲れ様でした。

食事 : 奥能登珠洲の土鍋で炊く銀シャリ

食事 : 奥能登珠洲の土鍋で炊く銀シャリ

さて小ロットで多品種のラインナップ。
口では一言で簡単にいいますが、日本料理は洋食や中華とは違います。ものすごい数の食器を出してきて、料理を盛って、洗わなければなりません。器の上に器を重ねたり、スプーンもあったり、10種類以上の料理を作るのですから洗う器はお客さん一人につき20ケ以上! 総計で毎日300ケ以上。

水菓子

水菓子

お客さんが引けた後に夫婦二人でもくもくと洗い片付けるその姿を想像しただけで、もう愛しくて愛しくて。特に初めてこの職業に付いた奥さんが、小さな子供の面倒も見ながら、旦那の面度も見て、店の手伝い、いや手伝いどころかホールの中心だから大変です。

五十嵐くん、大事にしてあげないかんヨ~。

8月29日 夜

五十嵐
石川県金沢市香林坊2丁目11−17
076-213-5251

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能登牛の治部煮

「加賀・石亭」から「KANAZAWA SEKITEI」へ

金沢には料亭旅館 「浅田屋」 さんなど6店を経営している浅田屋で修行をして自分の店を開いたオーナーシェフの小粋な店が多くあります。おそらく金沢の料理店の主人や調理長のや修行先別のデーターを取れば一番多いのではないでしょうか。

日本屈指の和食どころ金沢には創業百年を超える料理屋が数多くありますが、一般的に一番創業しやすく一番廃業しゃすい飲食店の中で、ある一定の割合を常にキープしているのには、やはり秘密があるのではないでしょうか。
もちろん前述の料理屋の中には全国から二代目、三代目の後継者を修行に受け入れ、彼らが自分の店に帰り跡を継いでいる人も多くみられますが、それにしても金沢で開業し、いまも営業している店があまりにも多く感じられます。このブログを通じてその秘密の一端でも知ることが出来れば面白いのではないでしょうか。

さて、その浅田屋さんが10年以上の沈黙を破って満を持してだしてきたのが兼六園のすぐそばにある 「 KANAZAWA SEKITEI 」 である。世間ではあまり取りざたされていないが 「加賀・石亭」 からの改名に注目したいのです。もちろん新幹線の開業で全国はもちろんのこと世界中から観光客が訪れるという事と、金沢の不動産会社・タカラ不動産が 「CRASCO クラスコ」 と改名して成功したブランド戦略も頭にあるであろうが、私はそこに

20年前に旧セゾングループから金沢国際ホテルを取得して嵐を起こした 「ハード戦略」 から 「ソフト戦略・価値観の創造戦略」 への転換を感じ取るのです。

そして長年愛されてきた 「加賀・石亭」 から 「KANAZAWA SEKITEI」 の改名にこそ、その意気込みを大いに感じるのです。

<消費者動向の変化>

内閣府による国民生活における意識調査

内閣府による国民生活における意識調査

内閣府の国民生活世論調査によると、 「心の豊かさやゆとりある生活をすることに重きをおきたいか、それとも、物質的な面での生活を豊かにすることに重きをおきたいか」 という質問に対し、80年を境にして、心の豊かさと回答する人が急激に増えています。さらに今は6割以上の人が消費に心の豊かさを求めると答えています。6割を超えた時から日本人の総意と見てもおかしくはないかと思われます。

また別の質問では同じように80年を境にして、貯蓄や投資で将来に備えるより毎日の生活を充実させて楽しみたいという人も増えています。

よく時代はモノからコトに移ったとも言われます。よいモノを作って顧客を満足させていた時代は終わり、そのモノを使ってどのようなコトができるのかを重要視するようになってきたいうことです。

例えば大型テレビが売れたのは、画面が大きくなって迫力が増したからではなく、それを使って家族団らんの時間が作れるからであって、スターバックスコーヒーもお客様は、コーヒーそのものにプレミアム価格を払うのではなく、 スタッフのサービスや心地よい音楽が流れている雰囲気の良い店で過ごす時間、 コーヒーの味や香りだけではない店全体での体験に価値を認めており、 ここにスターバックスコーヒーの強さがあります。

だとすれば、料理を召し上がって頂くことで精神的な満足をしていただくフードビジネスにとって追い風です。ここに旺盛な古くて新しい消費要求があるからです。

さて具体的に新しくなった石亭の内容を見てもらえばよい。確かに建物は新しくなり、多く改装されていますが、まず最初にお客様が目にするアプローチだけをみても現代建築の中に、大きな無駄と空間を有することにより、相反する日本の美を引き立てるように表現しています。
本店の浅田屋とは差別化を行い、この店は改装前と同じように良いも悪くも日本料理の固定化された概念や約束事にはこだわらず 「美味しいものを好きなだけ」 のコンセプトはそのまま引継ぎ、むしろ強化しているように感じられます。

昭和の初め、日本で最初に一見さんだけが利用できる料理屋の世界に板前割烹の世界を作り出したといわれる京都の 「たん熊」 のスタイルは、実は金沢では大正時代には金沢で 「久善」 に始まっていました。 (しかし、いまこの名割烹店も暖簾をしまってしまい寂しい限りです。)

過去あまた多くの店がこのスタイルを模索していますが、なかなかそのバランスが難しく、お客様の好みも一定ではなく、迎合すれば自身のカラーが亡くなってしまうリスクを抱えながら、やや料亭のほうに重心を置きながら一番成功している店となっています。

ながながと前置きを述べてしまったが、料理を見て、いやご自身で体験して判断してもらうのが一番です。なぜなら料理は頭で考えるものではなく、全身で、五感で感じるものだからです。

アワビの玉締め

アワビの玉締め

前菜盛り込み:子持昆布・かぶら寿し・冷製能登牛八幡巻・プチキャベツ

前菜盛り込み:子持昆布・胡麻豆腐・冷製能登牛八幡巻・プチキャベツ

すり流し:うに豆腐

すり流し:うに豆腐

自家製・ぶりとカブラの麹漬

自家製・ぶりとカブラの麹漬

吸い物

吸い物

刺し身:島海老・ヒラメ昆布〆

刺し身:島海老・ヒラメ昆布〆・いり酒

焼物

焼物

刺し身:マグロ・能登ぶり・辛み大根寄せ

刺し身:マグロ・能登ぶり・辛み大根寄せ

能登牛の治部煮

能登牛の治部煮

タラ白子いりだし

タラ白子いりだし

止め椀

止め椀

食事

食事

水菓子・ゼリー寄せ

水菓子・ゼリー寄せ

11月18日 夜

かなざわ 石亭
〒920-0962 金沢市広坂1丁目9-23 金沢歌劇座横
TEL.076-231-2208  http://www.asadaya.co.jp/sekitei/

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開発ストーリー 能登の海女から酒蔵まで

松本社長の開発ストーリー 能登の海女さん編

 

能登の海女さんとのホットライン

株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の新商品開発をお手伝いさせていただいております。
~ 松本社長の新商品開発ストーリー ~

シリーズ2回目は、「能登の海女さんを訪ねて」です。

いま海女さんが潜ります

いま海女さんが潜ります

 懇意にさせていただいている能登・輪島の海女さんがいます。その人のところを訪ねました。
輪島の海女漁の始まりは古く、350年以上もの歴史があるといわれ、海女の数も日本一を誇ります。最近ネットの世界では18才の美しすぎる海女ちゃんが話題に上ったりしています。
輪島の北の沖合いにある舳倉島や七つ島の海域は、暖流と寒流がぶつかり合う日本有数の好漁場で、これらの離島では7月~9月にかけて200名以上の海女が、さざえ、あわび、海藻などを素潜りで採っています。海女の手で採られたさざえやあわびはとても質がよく、江戸時代には加賀藩主・前田利家公にも献上されたと伝えられています。

■ 海女採りの数々が金沢に送られてきます

採れたての岩モズクの処理をします

採れたての岩モズクの処理をしています

 松本がこの海女さんから譲っていただくのは、サザエやもずく ・ 岩モズク ・ ワカメ などの海藻などで輪島の周辺で海女採りされるものです。それらは生であったり、あるいは加工をほどこして料理屋さんやホテルさんへ卸させていただいています。残念ながらアワビは限られたとこだけに卸されるそうです。

 今日訪ねた海女さんは、漁には旦那さんと2人、ご夫婦で海に出ます。ご主人の本業は、底引き漁の漁師さんで、夏の時期は禁漁になるので、この時期だけ奥様と一緒に素潜り漁の手伝いをされています。「一番の仕事は船の運転だ」 と笑って言っていましたが、一番は奥さんの安全確認だと思います。私が訪ねた時は、漁のあとに黙々と岩モズクの下処理をしているご主人を見てしまいました。

 岩もずくは文字通り岩にくっついて成長するもずくの近種でモズクよりコリコリ・シャキシャキした食感が楽しめます。能登のもずくがきめが細かく細いので絹もずくといわれるのに対し、一般に流通する岩もずくはそれよりもかなり太いので別名で太もずくともいわれています。
この太さがコリコリ・シャキシャキとした食感はいいけれども、絹もずくに比べてヌメリが少なく舌触りがなめらかでないので、私どもにとってはかなりの不満でした。しかしこの海女採りもずくは、コリコリ・シャキシャキした食感がありながら、細く、舌触りもよく、いままでの私達の不満を払拭する素晴らしいものでした。

市場には多くは出回らなくても日本には素晴らしい食材が眠っていることを実感した出来事でした。彼女たちは、夏の時期の短い期間だけ素潜り漁をします。限られた期間で、限られた量のみを採ることで、自然と共存しているのです。

■ 輪島の朝市のお母さんから干物も送られてきます

 その海女さんたちを紹介してくれたのは、いつも一夜干の干物を作ってくれている朝市のお母さんで、今回たずねて行って初めてわかったのですが、お母さんの隣のうちが海女さんの家でした。それは仲がいいはずですよね。

輪島港に水揚げされたのどぐろ

輪島港に水揚げされたのどぐろ

この干物を作ってくれているお母さんとは長年のお付き合いです。
一番最初の出会いは10年前に遡るでしょうか。輪島出身で金沢へ料理の修業に来ていた若い子が修行の年季も開け輪島に帰ることになりました。そこで 「君も輪島で育ってきているのだから、一番美味い干物を作る人を紹介してくれないか。」 と頼んで紹介していただいたのが初めでした。
人との出会いがあり、そこから新しい出会いがあり、どんどん、どんどんとご縁が広がっていきます。すべての人との出会いに感謝です。

干物つくりの達人

輪島のお母さん

この干物は一つひとつ手作業で、ご自宅の軒先で海風に吹かせて一夜干をする昔からのスタイルです。干すのに乾燥機など使いません。作り方も、たて塩製法で作られます。この製法は全国各地で、伝統的干物の作り方として伝えられていますが、塩汁の管理が難しいことと、味付けのタイミングが微妙なため、手間ひまと職人技が必要となり大量生産する業者には向かないのです。

輪島の干物の美味しさの秘密は、朝市のお母さんだからできる仕事なのです。

こちらは、松本の店頭でもネットでもお買い求めいただくことができます。

■ 熱心な調理長さんは製造の現場を視察します

輪島塗  桐本木工所 にて

輪島塗  桐本木工所 にて

 今回、一緒に輪島を訪れたのは、金沢のトップ・ホテルの調理長です。
金沢の料理を作る以上、その作る現場を知らなければいけないということと、そこで提供する朝食に輪島の前の海で取れた魚で作った干物が欲しいとの依頼を受けたものでした。

株式会社松本では、ホテルのシェフや料亭の料理人と一緒に能登に出かけ、こういった場所を訪ねます。実際に採っているところや作っているところを見ていただきながら、料理創作のイメージを膨らませてもらうためです。

 帰りには、伝統的な輪島塗からフレンチや中華料理でも使える漆器を作っている輪島塗の朴木地屋(ほおきじや)さんの 桐本木工所で木材の加工から木地仕上げ、そして漆作業を行う工程を見せていただき、奥様から、桐本として日常生活に溶け込む漆器や家具を提案している過程を教えていただきました。

*木地屋とは、木地の風合いをそのまま生かした器やお椀などを作る職人を集めたところです。

その後、奥能登ウェルカムプロジェクト・彩食紀行として始まり、いまや地域ブランドとして定着した 「 能登丼 」 の開発、普及の中心人物の金七聖子さんを訪ねました。彼女は奥能登の酒蔵の松波酒造の若女将ですが、仕事を投げ打って (?) 能登の浮上に尽力しています。これがなんと不思議なことに私の友達なんですよね。縁とは不思議ですね。

大江山酒造の正面玄関

大江山酒造の正面玄関

ここで試飲したのは、もちろんメインの大江山。そして能登リキュールとして売り出し中の彼女の持ち山で育ったユズのお酒 (松波ゆず子)、柿のお酒 (松波柿蔵)、梅のお酒 ( 松波うめ花)、能登深層水で育てたトマトのお酒 (松波とま登)、これもまた能登の普及のために作った地域野菜の沢野牛蒡を使った牛蒡のお酒  (沢野ごん坊)でした。
彼女が一連のシリーズを作り始めた経緯から、海外に出荷するまでを詳細に語っていただきました。

この短い旅の出会いを通して、調理長は奥能登の懐の深さや食材を見つめ直す機会を得て、彼の作る料理にすぐにでも反映されることとでしょう。
新メニューを生み出すためのお手伝い、これも株式会社松本の仕事なのです。

開発ストーリー 五郎島金時いもでスイーツ作り

松本社長の開発ストーリー かわに様編

五郎島金時の スイートポテト

株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の新商品開発をお手伝いさせていただいております。

~ 松本社長の新商品開発ストーリー ~

シリーズ1回目は、「 有限会社 かわに 」 様との開発物語です。

総出で芋掘りです

総出で芋掘りです

 「 かわに 」 さんは、金沢市粟崎町を拠点にされている農業法人で加賀野菜のひとつの五郎島金時イモの生産をされていらっしゃいます。金沢の方なら  「かわに」  と聞けば 「 ああ、あのサツマイモの」  とピンとくる方も多くいるかもしれません。なにせ石川県の農家の中でそのキャラクターからメディアに取上げられることも多く、その取り組みからも常に先頭を走ってきた人です。

■ 私心のない かわにさんに感動を憶えました

芋を選び出します

芋を選び出します

 彼は 「 五郎島金時いも大好き!」 「 五郎島金時いのち!」 と公言してはばかりません。またその普及のために自ら汗をかき、お金も使ってきた人で、そこには私心がありません。常に頭の中にあるのは五郎島金時いもを日本一にしたい。その一点です。だから農業の垣根を越え多くの人に愛されています。私と知り合ったのは経営戦略の勉強会が最初でした。

大きさを揃えていきます

大きさを揃えていきます

 

さつまいもづくりは、2月中旬から始まります。まずは土作りから始まり、畝づくり、植え付け、追肥、除草・中耕・土寄せ、ツルを返し、試し掘りを経て9月~10月下旬が収穫のピークとなります。どの工程も大切なので収穫まで気を抜けないそうです。

そしてなんと彼は、五郎島金時いもの普及のため、いもを焼き芋にする加工工場も持っています。そんなかわにさんから、こんど金沢駅の商業施設の百番街に出店するから、そこで売る商品を考えて欲しいとの相談が持ち込まれました。

■ 五郎島金時商品の企画開発にトライしました  

百番街のコンセプト・初稿

百番街のコンセプト・初稿

 つまり 株式会社 松本 がお手伝いするのは、その五郎島金時いもを材料とした商品の企画開発です。まずはコンセプト作りから2人で検討しあいます。

具体的な商品コンセプトを考えるのです。

1、誰に(ターゲット)
その商品はどういう特性の人に販売するのか。

2、何を(ニーズ)(ベネフィット)
そのターゲットのどのような欲求(ニーズ)を満たすのか、どんな役に立つ(ベネフィット)のか。

3、どのように(提供技術)
ニーズをどのような方法(技術)で満たすのか。

キャンディータイプ

キャンディータイプ

 

お客様は新幹線が開通するまでは、20代後半~30後半の女性。開通後のお客様の半分は県外の観光客と推定しました。スイーツ大好きで、職場にもおすそ分けできる単価で、お土産としては1000円位で提供できる需要を見込みました。
そして一番多く五郎島金時いもを使う商品にして、自社工場での作業のピークが重ならないように、出来るだけ加工の作業工程を少なくするように考えました。

チーズ・ブルベリーも

チーズ・ブルベリーも

 

一般的なお土産のスイーツは原価を安く上げるために色々な方法を取ることができます。まず原料となるイモの糖度を上げるために焼き芋にする工程を取っていますが、これを蒸し上げだけの工程にすれば、焼き芋の皮をむしる手作業の時間が省けます。

一次加工所にて

一次加工所にて

また焼き芋にすると皮に付いている身を捨ざるえなかった分が、蒸す場合は最初に皮をむきますのでロスも大きく改善されます。原材料のイモも一部に中国産を使えばよりコストも安くなります。
しかしその分、食味と香りが失せてしまうため、糖分と香料を加えなければなりません。商品の後ろの一括表示に香料と書いてあるのがそれにあたります。

■ まがい物は作らない、本物だけで勝負する 

  かわにさんの反論が始まります。まず五郎島金時の普及が最大の目的なので、材料は贅沢に使いたい。まがい物は作りたくない。そのものずばりの味で勝負したい。原価が高くなるのなら、作付けに失敗したと思って、材料のいもはタダで提供する。

試作を作ります

試作を作ります

そこまでかわにさんに言われたら横道にそれるわけには行きません。ストレート勝負で 「スイートポテト」 を作ることに決まりました。そのさい参考にさせていただきましたのは福岡や大阪の某有名店のスイートポテトでした。(みなさん、ごめんなさい。)
再度、原価計算、材料調達、販売価格などを検討。商品化の道筋を立てます。製造過程に入る前にはサンプルを作って確認し、菌検査・日持ち検査を行い基準に達したことを確認して実際に工場での生産を始めます。

百番街の売り場 1

百番街の売り場 1

 試作品を作る中で、基本のプレーンからの派生として、少し欲張りに、ブルーベリーやチーズ、能登塩なども作りました。様々なテイストのスイートポテトを試作し、さて味見です。五郎島金時の味わいを生かせるのは・・・。そんなトライアルが続きます。
初期版はスティック状でしたが、ちょっとした手みやげにも使えるようにと、少し豪華にしたバージョンも作ります。そんなことを繰り返しました。

 商品の試作だけではなく、売り場の見せ方も話し合います。お客様にお渡しする直前に焼き器で温めるとか、美味しそうに見せるディスプレイなど。購入されるお客様の笑顔を思い浮かべながら考える楽しい時間を過ごさせていただきました。

百番街の売り場 2

百番街の売り場 2

現在、金沢駅の百番街 「あんと」 で販売されている加賀伝統野菜の一つ、五郎島金時を贅沢に使ったスイーツ。

実は、こんなところにも、株式会社松本のアイデアが詰っているのです。

[豆知識]
五郎島金時とは…
石川県金沢市の五郎島・粟ヶ崎地区や内灘砂丘で主に生産されているさつまいもを「五郎島金時」と呼びます。加賀伝統野菜の一つです。
この地にサツマイモ栽培を伝えたのは、太郎右衛門。江戸元禄の時代に、薩摩の国(現在の鹿児島県)から、種芋を持ち帰り、栽培を始めたそうです。
日本海に面した五郎島の地は砂丘地帯で、さつまいもの成育に最適だったようで、通気性、保水性に富む砂丘の土壌が、格別に美味しいさつまいも生み出します。

食材の旅 漁師は男のロマン。自分の人生そのもの

松本社長の開発ストーリー 能登島の漁師編

能登の 海の幸の実力を日本中の人に知って欲しい

株式会社松本では、生産者や収穫者と直接コミュニケーションをとり、安心・安全で質の高い食材の確保を行っております。

~ 松本社長の食材の旅 ~

シリーズの1回目は、能登島の若き漁師の物語です。

平山さん

平山さん

 能登は食材の宝庫。能登半島の海には外浦と七尾湾の内浦があります。荒々しい外浦と、穏やかな内浦。能登島はその内浦にあります。七尾湾、富山湾が主な漁場。対馬暖流と能登半島が作る最高の漁場、天然の生簀と言われています。ここにいま注目の漁師を訪ねます。

■ 能登島から海の恵みを。100%実力の世界で勝負する

 あれ、見たことあるナ~。と思う方も多くいるのではないでしょうか。
そうです 「ジョブチューン」 に出演したことのある元・K1戦士のタコ漁師の平山泰之さんです。
彼が行うのは秘伝の 「タコかご漁法」 や 「刺網漁法」 。刺網漁とは、魚の泳ぐ先に網を張り、網目に魚の入り込ませて獲る漁法です。待って獲るというわけではなく、小さな船を自在に操り、魚を狙って獲るイメージです。海の中の複雑な形状を把握しておく必要があります。
定置網は場所が50%、実力が50%。それに対し、刺網漁は100%実力の世界だそうです。

平山さんは3代続く漁師の一家。小さい頃から祖父の猟師の姿を見てきたので、漁師になることには当然のことだと思っていたとか。国産の安心で安全な魚介類を食べていただきたいという強い思いをもってます。

■ 三方良しのマッチングが私達の使命

 熱い思いをもった平山さんから株式会社松本が仕入れるのは、いまのところは 「 タコ 」 です。秘伝のタコかご漁法で獲るので傷のないキレイなタコです。
彼はここで年間10トンの水揚げをするそうです。もちろん七尾湾でNO1の実力といっていいでしょう。しかも彼の採るタコは1Kを超える大型サイズなので美味しいのです。もちろん漁師さんですので加工なんて出来ないのですが、ここに当社が介在する可能性を見つけています。
そこで年間5トン程度を 「 能登のたこ旨煮 」  として加工している工場へ話を持っていったのですが、イマイチかみあいませんでした。私たちは食材を使うほうも採るほうもどちらにとっても良くなってもらうのが目的です。どちらか片方だけではダメなのです。今の時代、自分の都合ばかりだとそのうち末端のお客様から見放されると思います。

しかし大きさや味のほかにもっと付加するものを提案できなかった自分の勉強不足のせいで、プレゼンが失敗したのだと反省しています。自分の力不足を痛感した案件でした。でも、あきらめてはいません。可能性は大きいと思っています。

■ 新しいビジネスモデルの提案で需要を作るのが夢です

 全国の漁師や漁場と結びつけば、既存の仕組みの枠の外に独自の流通モデルや新しい価値感を提案することができ、お客様にいま以上の美味しい海の幸をお届けすることができるはずです。そして国内の漁師が獲るものを食べるということは、漁師を育てることにもなります。

天然の生簀から直送される鮮度抜群の魚介類、いましばらくお待ち下さい。

 私たちは本当の美味しさを求めて、そして安全で安心な食材を求めて、今日も産地へ向かいます。この季節だけの旬の食材を求めて・・・。

【販売者】 ㈱ 松本