Monthly Archives: 2月 2015

クワイをチップにしてみました。

開発ストーリー 慈姑で、くわいチップ

クワイをチップにしてみました。

クワイで新しい市場を作る

株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の商品開発のお手伝いをさせていただいております。

~ 松本社長の商品開発ストーリー ~

シリーズ6回目は、お正月によく使われる縁起物の クワイ です。

その依頼は突然にやってきました。
1月も押し迫ったある日、一本の電話がアクセルを深く踏み込むことになりました。

クワイの加工品を考えます。

岐阜から送られてきたクワイ

「岐阜青果がクワイの在庫に苦慮している。加工してでも販売する知恵を貸して欲しい。何か考えてもらえないか。」

 クワイは正月の祝い肴で古くから 「芽が出る」 ということでお祝い料理に使用されています。特に、正月のおせち料理の食材として珍重されていますが、その需要は正月を除けば多くはなく、収穫は11月下旬から12月下旬で正月を逃せば時期はずれとして値崩れが激しい商品です。

■ どうしたらクワイの価値を上げられるのか、需給から考えてみる

 「大きいものは六方や松笠にむいて瓶詰めにしたが、むくと小さくなる中サイズのクワイが生の状態で1.6トンあり、捨てるわけにもいかず、何としても換金したい。」 そんな依頼です。

どんな加工をして需要を喚起するのかが一番の問題となりますが、しかもこのクワイの在庫は今年だけではないそうです。年末年始に欠品させるわけにはいかず、しかたなく必要以上の仕入をして、何年も続けて大量の在庫となり会社の経営の足を引っ張っているとの事でした。

クワイをスライス

試作はクワイをスライスするのにも手作りです。

ですので、いまのところ来年も販売できる数は限られており、今年は既存の大きな市場を狙うのではなく、出来ればニッチで新しい市場を創造するのがベストだと意見が一致しました。もちろん目論見が成功すれば、小売用として大きくトライすることにはやぶさかではないでしょう。

検討の結果、 「くわいチップ」 を作ることに合意しました。

■ れんこんチップ製造の成功事例を適用してみる

 株式会社・松本では、何年も前から 「加賀レンコンのチップ」 の製造にトライしていましたが、去年やっと常温の状態での長期保存が可能で、油もまわる (油臭くなる) 事のない製造方法にめどを付けていました。

クワイチップは、薄さと揚げ加減が美味しさの秘密です。

クワイを油で揚げます

そしてその原材料となる特別栽培のレンコンの入手ルートも決まり、いよいよ今年から製造を開始するのに当り、その販売チャネルを考えていたところでした。

と、いうのも現在市販されている 「れんこんチップ」 は中国産がほとんどで、品質は特に良くもなく、価格が優先される商品です。その販売先は業務用のおつまみとしての需要のみでした。
よく秋に料理屋さんに行くと前菜に2・3枚使われているものですが、金沢ではその品質の問題で、自分の調理場で作られているところがほとんどでした。

蓮根チップの試作過程で、油で揚げています

蓮根チップの試作過程で、油で揚げています

ここに業務用として品質と味のレベルを上げた商品を投入するのもひとつの手ですが、全国的な需要は、季節商品であるだけに大きくありません。むしろ家庭用として大規模小売店にビールにピッタリのおつまみとして小袋にしてでの販売のほうが全体のパイが大きいのかもしれません。

■ クワイはびっくりするほど美味しく仕上がりました

 さて取り急ぎ、そのクワイを取り寄せ試作をいたしました。その結果、試食した人すべてから、クワイ自体がほのかに甘くて美味しいとの評価をいただきました。

しかし問題は、大量生産のプラントでの製造とは異なり、味を優先にするために、ひとつひとつのクワイの状態を確認して、カット、揚げ、味付け、選別、袋詰めまでの一連の作業がすべて手作りのため原価がかかりすぎることでした。

出来上がりの蓮根チップ

出来上がりの蓮根チップ

もしそれがクリアーできたとしても、内容量を多くして包材などを安くして業務用として販売するか、家庭用として量は少なくして、まだ見えない大きな市場にトライするのか、販売チャネルをどこにするのか。まだまだ超えなければならないハードルは数多くありそうです。

しかも、そのタイムリミットはもうじきやってきます。

今回の依頼は、前述の 「加賀れんこんチップ」 販売のトライアルとして最適な案件となるでしょう。

くわいチップ ・ れんこんチップ   販売者 株式会社 松本

ホスピタリティと食で金沢を世界に

シニア層、エルダー世代といわれる時間もお金も余裕のある層が増え、ジャパネットタカダさんのように消費の中心をこれらの層におき事業展開を考えなければいけない時代になっています。また訪日外国人数も去年は1300万人を超え、円安の影響でアジア一辺倒から欧米からも急増しています。そして北陸新幹線の開通まで20日間を切りました。
私がフードアナリストとして2年まえに提出した論文にタイムリーなものがありましたので公開します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フードアナリスト・会員番号25042013 松本信之

「ホスピタリティと食で金沢を世界に」

  平成26年度末までに北陸新幹線の長野~金沢間が開業する。これにより東京から金沢間は乗り換えの必要がなくなり、移動時間が約1時間20分短縮され、約2時間30分で行き来できるようになる。
時間短縮効果に伴い、首都圏から多くの人を呼び込むことが可能となり地域経済の活性化が図られるものと期待されている。これを一過性のものに終わらせずに継続させるにはどうしたらよいか、考察する。

1・圧倒的な輸送能力の獲得

 具体的には、現行の東京~長野間の運行本数がそのままだとすれば、座席数は年間往復約1800万席 (12両編成×934席×上下54本運行) なので、単純計算なら1800万人がプラスとなる。

現在の金沢駅の乗降者数は、年間約1500万人 (平成19年) で飛行機での入れ込み客数は、年間約300万席 (現行の小松~羽田便・往復22本)。合わせて1800万人が石川県へ地元客を含め乗り降りしている。

 先行開業地域の整備効果をみれば、東京~長野間の北陸新幹線は、利用者数が開業前の1・5倍となり、高崎~長野間の経済波及効果は、1240億円。 (開業後10年目)。
東北新幹線・盛岡~八戸間は、利用者数が開業前の1・6倍、経済波及効果は390億円 (開業後5年目)。
九州新幹線鹿児島ルート・新八代~鹿児島中央は、利用者数が開業前の3・1倍、経済波及効果は250億円 (開業後5年目)。
博多~鹿児島中央・全線開業の九州新幹線鹿児島ルートは、博多~熊本の利用者数が開業前の1・4倍、熊本~鹿児島中央は、1・7倍、鹿児島県だけの経済波及効果は464億円 (平成23年度)。
 これらの事例を基にすれば、最低でも開業前列車利用実績の1・5倍以上が考えられ、1500万の0・5倍で750万人が新規の旅行客と予測される。
石川県の経済効果の予測では、148億円。日本政策投資銀行の試算では、124億が予想されている。
 しかし、翌年には北海道新幹線が開通し、金沢は忘れられた存在になる可能性が考えられる。金沢とすれば、1年目に初めて訪れた旅行客をいかにリピーターに変えることが出来るかどうかが主要な命題となる。

2・人は文化にあこがれ集まる

 日本でもっとも商品が売れたのは高度経済成長時代で、今は物の売れない時代といわれている。家庭の中には電化製品があふれ、欲しい物はなにもないという状況だが、その中でも売れているのは 「文化的な商品」 だ。

 近年、日本は中国や韓国に負けたと思われている。大型家電販売店へ行けばソニーやシャープではなくサムスンが一番いい場所を占拠し、携帯電話のメーカーもいつの間にかにパナソニックや日立ではなくサムスンがシェアを占めている。巷では韓流ブームで歌やドラマなど韓国の文化が流入している。
しかし韓国との貿易収支は逆転しているわけではない。統計数字を見ると、日本はここ10年ほぼあらゆる国に対して貿易黒字を出し続けている。

 アメリカ、EU、中国、台湾、韓国をみても軒並み黒字になっている。ではそれらはどこへ消えているかというと、ひとつは中東の石油である。どうしても日本を維持していくにはエネルギーが必要だから、これは仕方がない。エネルギー以外で日本が貿易赤字を出しているのが、フランスとイタリアである。

この2ヶ国が作り出す文化的な商品をどんどん買っているわけだ。文化のわかる客層が主な購買層となっている。国外・国内を問わず、ここを目指すべきと考えている。歴史的に見て、古くは刀剣・螺鈿・蒔絵。さらには古伊万里、浮世絵、最近では日本料理などフランス・イタリアに匹敵する文化大国なのに、なぜか自国のことを過小評価・卑下してしまっている。

 水と同じで 「文化は高いところから低いところへ流れる」 といわれている。日本マクドナルドの創業者・藤田田氏が文化流水理論を唱えたように、欧米で主流であった洋服が明治維新で日本に取り入れられ、アメリカで流行っていたファーストフードが日本で大ブレイクをし、日本のファッションがアジアで受入れられていること。これらは全て高きところから低きところへ文明が伝わっていく例である。この文化流水理論のポイントは、低いところから高いところへは、水 (文明) は登って行かない、という点にある。

誤解を恐れずにいえば、アジアの発展途上国の文明は日本にやって来ないのである。日本の芯柱さえしっかりしていれば日本の文化にあこがれてアジアの発展途上国の人々は大挙して日本を訪れる。金沢が培った文化が東京の文化に覆いつくされない限り、首都圏からもあこがれて高感度の人が訪れるのである。

 国立民族学博物館名誉教授・石森秀三博士によれば、人類はこれまでに三度にわたる観光革命 (観光をめぐる構造的変化) を経験してきたという。

 第1次観光革命は1860年代に欧州の富裕階級を担い手として発生し、古代文明にあこがれてイタリアやギリシャやエジプトを訪れている。
第2次観光革命は1910年代に米国の中産階級を担い手として発生し、ヨーロッパの近代文明にひきつけられました。
第3次観光革命は1960年代に日本を含む北の先進諸国で発生しました。60%の人はヨーロッパへ、20%の人がアメリカへ行きました。アフリカを訪れたのはわずか2%に過ぎないのである。それはなぜか、欧米に強力な文明の磁力があったからだ。
さらに第4次観光革命はアジアにおいて確実に 「観光ビックバン」 という大きさで生じると論じている。

 富士山の世界文化遺産登録に加え円安の追い風を受けて俄然盛り上がる外国人観光客への期待だが、日本は豊かな四季折々の自然や治安の良さ、気づかい、心づかいなど潜在力は高いといわれながら、結果が出せずに終わっている。
国は2016年に外国人観光客1800万人誘致の目標を掲げているが、去年の実績は837万人。8000万人のフランスに遠く及ばず世界30位前後。一方、ライバル・韓国は 「韓流文化」 の輸出と連動する戦略で去年1000万人の大台を達成した。

こうした事態を打破するには、 「景勝地を効率よく回って夜はホテルで宴会」 といった団体旅行全盛期に生まれた観光スタイルからの完全脱却や、 「地元発案」 による地域の魅力の再発見、隣接する地域との協力関係の構築など 「観光革命」 と呼べる抜本的な発想の転換が求められているのである。

また世界各国は富裕層旅行者をターゲットにした観光プロモーションに力を入れ始めている。世界で100万ドル (約1億円) 以上の資産を保有する富裕層人口は2007年末に1000万人を突破した。原油高で潤う中東地域の富裕層が大幅に増え、インドや中国でも伸びが目立っている。日本でも151万人の富裕層が存在している。国別の増加率トップはインドで約22%、ついで中国が約20%、3位のブラジルが約19%と続いている。まさにBRICs諸国 (ブラジル・ロシア・インド・中国・と南アフリカ) において富裕層が急増しているのである。この層こそ金沢がターゲットとすべき層なのである。

  3・金沢への提言

 金沢がこれら海外の富裕層や首都圏の富裕層・高感度な人々をくみ上げるためにはどうしたらよいのか。文化的な商品のキーワードとして、 「ハイセンス」 「そこにしかない」 「少量で良いものを」、そして 「丁寧なおもてなし」。すなわち 「ホスピタリティ」 と、そこに 「しつらえ」 をそえて、文化を売ることだ。特にホスピタリティと食がキーワードとなる。

 山形の庄内にいつも予約が取れにくいイタリアン・レストラン 「アル・ケッチァーノ」 がある。世界中から三ッ星レストランのシェフが大挙して訪れている。奥田政行シェフの料理を支えるものは地元・庄内への熱い思いだ。開店以来、庄内に暮らす生産者のもとを訪ね歩き、食材の持ち味を最大限にひきたてる料理にして店で提供し、強い絆を結んできている。

野菜・魚・肉は決して圧倒的に特別なものではないが、その店を訪れた人は、 「自分の命が元気になる」 「働いている人とふれる事で寿命が延びる気がする」 とつぶやいている。

 ザ・リッツ・カールトンホテルでも同じだと元日本支社長の高野登氏からお聞きしました。お客様から指示をされれば誰でも出来ることを、指示される前に自分から一歩相手に近づく。そしてお客様の心に寄り添って、何をしたらいいのかを考える。その考えるプロセスからホスピタリティが生まれていくのである。

 よく誤解されるが、サービスとホスピタリティは違っている。サービスとはお客様との間の約束事だ。その約束を守り続ける限り正当な対価を得ることが出来るが、サービスの延長上にホスピタリティはないのである。サービスの延長上に満足や大満足はあるが、感動はないのである。サービスとクロスしたところにホスピタリティがあり、その延長上にこそ感動があるのである。ディズニーランドやザ・リッツ・カールトンホテルを例にとるまでもなく、心にホスピタリティがあれば、人には無限の可能性がみえてくるのである。

 新幹線開業を契機として世界中から、日本中からお客様が金沢に百万石の歴史・文化にあこがれて間違いなく訪れる。一年目はホテルがパンクするのは確実だ。金沢の発展は、このお客様をファンにして、リピーターに変え、他に奪われない固定客に出来るかどうかだ。そのキーワードがお客様に新しい価値観を提供するためのホスピタリティである。

サービスをいくらやり続けても、一歩お客様に近づいて、何をしたらいいのかを考えるプロセスが抜けていれば、ホスピタリティは生まれないのである。金沢の官民と住民が一体となってお客様への思いやりや心遣い、親切心を持つ必要があるのだ。

そしてお客様の立場に立ち、コミュニケーションを深め、楽しんでもらおうという感性の共通化が浸透したとき、当たり前のことを当たり前にできるホスピタリティの第一歩が始まるのである。

 もうひとつのキーワードは食。美食の都・金沢を目指すことにある。もともと石川県は海と山との食材に恵まれ、加賀料理を代表とする料理技術は高く、素材の持ち味を十分に引き出して美味しいとの評判がある。しかし加能カニは松葉蟹や越前蟹に比べ知名度と味の点で落ち、その他の海産物も北海道産の知名度と味には一歩譲ってしまう。野菜も加賀野菜として売り出してはいるが収穫量の総量が足らず周知にはいたっていない。石川県は宮崎県の完熟マンゴーの売り出しをベンチマークとして、赤系大粒ぶどうのルビーロマンを売り出した時のように農作物のブランド化戦略の普及拡大をして、知名度を上げなければならない。

 そして料理を生業とする人は、それぞれの目指す料理をベースとしながら、地場産品はもちろんのこと国内外の新しい食材、隠れた食材を見つけ出し、新しい独自の味の世界を探求し広げることを使命と考えなければならない。

県内飲食店、宿泊施設むけには、海外、県外の旅行者用に金沢の料理屋や調理師のトップリーダーのプロデュースによる地元食材を使用した献立を月替わりで何品か提案してもらう。そしてレベルの高い料理として各施設で提供する事により、 地物の良さ」 を知ってもらう取組みが必要だ。もちろん各施設でそのレシピに手を加えることは自由として、料理人の裁量に任せる事とする。

 そしてなによりも重視したいのは朝食である。世界一の朝食といえば神戸北野ホテル、日本一の朝食といえば加賀・山中温泉のかよう亭などが有名だが、旅の締めくくりとしての朝食が、その旅を振り返った時に最もインパクトのある記憶となっていく。前の晩がどんなに素晴らしい夕食であろうとも、朝食は既製品を並べただけのありきたりの和洋のバイキングでは前日からの期待値が高くなっているのに興ざめとなってしまう。

朝食だからこそ地場の食材を大いに使い、手作り感とシズル感のある料理を提供すべきである。金沢全体で日本一の朝食の街を目指すのが最短の道と考えられる。
そして金沢中心部のシティホテルが中心となって、各ホテルで朝食の特徴を競い合い、連泊の方には宿泊のホテル以外のホテルの朝食でもチョイス出来るようにし、金沢スタイルの朝食の消費市場を創出すべきである。

幸いなことに金沢中心部に多くのシティホテルが固まってあるので、金沢駅を基点として各ホテル循環の専用バスで巡るのもおもしろいだろう。朝食ラリー(モーニング・ラリー)が出来るくらいの内容の濃い料理にホスピタリティを調味料とすれば、リピーター獲得の一番の方法となるであろう。

料理とホスピタリティが相乗効果を起こし、何倍にも高められ、感動を生み、美しい思い出として記憶に刻みこまれるのである。

参考資料
・長野新幹線 H9・10開業
開業前(H8.10~H9.9実績):『JR東日本報道発表資料』開業後:『平成23年度鉄道輸送統計年報』(H24.10 国土交通省)
経済波及効果:『北陸新幹線(高崎・長野間)事業に関する事後評価対応方針』(H20.3 鉄道・運輸機構)
・東北新幹線 H14・12開業
開業前(H13.12~H14.11実績)開業後:『JRむ東日本報道発表資料』
経済波及効果:『東北新幹線(盛岡・八戸間)事業に関する事後評価対応方針』(H20.3 鉄道・運輸機構)
・九州新幹線鹿児島ルート 新八代~鹿児島中央 H16・3開業
開業前(H15.3.13~H16.3.12実績):『JR九州公表資料』 開業後:『平成22年度鉄道輸送統計年報』(H23.10 国土交通省)
経済波及効果:『九州新幹線(新八代・鹿児島中央間)事業に関する事後評価対応方針』(H21.3 鉄道・運輸機構)
・九州新幹線鹿児島ルート 博多~新八代 H23・3開業
全線開業前(H22.3.12~H23.3.11実績) 全線開業後:『JR九州報道発表資料』(H24.3)む鹿児島県 経済波及効果:『新幹線全線開業の経済効果について』(H24.3 鹿児島地域経済研究所)
・石川県における経済効果の予測:新幹線開業影響予測調査(平成19年3月)
・日本政策投資銀行の試算:北陸新幹線開業による石川県への経済波及効果 2013年3月による
・東洋文化研究者の米国人アレックス・カー(Alex Kerr)氏は、その著書『犬と鬼―知られざる日本の肖像―』(pp.182-183)で述べている。

開発ストーリー 鴨肉を普及させるために

松本社長の開発ストーリー 鴨団子編

加賀の伝統食材を、気軽に食してもらうために。~鴨団子

株式会社松本では、メーカー様、飲食店様の商品開発のお手伝いをさせていただいております。

~ 松本社長の商品開発ストーリー ~

シリーズ5回目は、加賀の伝統ジビエ・鴨肉です。

 加賀地方の南部、加賀市で行われる鴨の坂網猟。江戸時代から続く伝統猟の一つです。加賀市では、この猟で獲られる鴨を使った鴨料理が有名で、いくつかの名店もあります。一方、金沢でも伝統料理の 「 治部煮 」 に鴨肉が使われるなど、当地では昔から親しまれる食材です。
また鴨肉はビタミンや不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、とても健康にいい食材として海外でも定番食肉として人気があり、また世界三大珍味のひとつとして、肝臓に脂肪を過剰に蓄えさせるフォアグラにすることでも有名です。

■ 鴨団子でもっと身近な食材にしょう

伝統の坂網猟・鴨を待ち構えます

伝統の坂網猟・鴨を待ち構えます

 この鴨肉を、もっと安価で様々な形で味わってほしいと考案したのが、「 鴨団子 」 です。こちらの商品は、市内のホテルや料理店での一品や、おせち料理などに使われています。もともとメーカーの既製品としてあったのですが、最近の偽装や異物の問題もあって原産地が某国のものや製造過程が見えないものは困るとのコンプレを受けていました。

 「 ISOまでとはいわないけどさ、せめて HACCP ( ハサップ ) 準拠くらいで安心安全なものを提供してよ。しかもあの既製品はサ、鴨の肩肉を使っているし、絶対に別に脂身をいれて量を増やしているのに間違いないから、脂っぽくて脂っぽくて使えないんだよネ。」

だとすれば原産地は某国はダメで、台湾かマレーシアなら少し高いくらいなので、それでOKですか?

鴨団子の素材

鴨団子の素材

「 いや原価の問題ではないので、いいものを使ってくれない。」  との要望でした。

■ 美味しさの秘密は、材料と調理方法です

 となると、鴨のチェリバレー種ならは日本人の味覚にあうように飼育されているので、この種にするとして、フランス産とハンガリー産で選ぶとすればハンガリー産の方が美味しいので、それにしてあっさりとした味に仕上げるため脂身を落とした鴨ロース肉を選ぶことにしました。

鴨団子

鴨団子

 

 チェリバレー種の特長としては、肉質が柔らかく、鶏の肉より赤身が強く脂肪は淡泊で風味が良いのです。いわゆる一般的に出回っているブロイラー臭 ( 鶏くささ )  がないため、鴨鍋、ステーキはもちろん様々な料理に使えます。

鴨団子

鴨団子

 国産の鴨肉もそうなのですが、良い肉はブロイラー臭がありません。冷蔵庫で一週間ほど寝ていて初めて出てくる臭いなのです。もちろん本物の地鶏にもあの臭いはありません。( だとすると、世間でよく言う、鶏くささとという表現はおかしいとつねづね思っています。)

 当然ながら美味しい鴨の味がしないと話になりませんので、鴨肉をお湯の中に落とし茹でて鴨の味が抜けてしまうのを危惧して、ボイルするのではなく、鴨の味を中に閉じ込めるべく蒸し上げることにしました。

鴨団子

鴨団子

 使う鴨の原料さえ決まってしまえば、あとは副材料を何にするかですが、昔から  「 鴨ねぎ 」 という言葉があるように鴨と葱との相性は最高です。これは  「 鴨がネギを背負っていればそれだけで最高の鴨鍋が食べられる 」  という意味です。

鴨団子の試食をします

鴨団子の試食をします

  科学的には、独特な肉の臭いがある鴨肉をねぎが持つ匂い成分  「 アリシン 」  によってカバーされる点にあります。ねぎと同じように玉ねぎも多くのアリシンを含んでいますので、どちらにするかは迷いましたが、玉ねぎにすることにして、生姜も加えて味を調えることにしました。

■ 試行錯誤こそ美味しさの秘密です

 何回かの試作の結果、出来上がった鴨団子は素材の味そのものです。この食材に料理人の感性により味付けされ、提供される鴨団子を楽しんでいただければ幸いです。

鴨団子  販売者 株式会社 松本

開発ストーリー 加賀野菜で金沢ピクルス

松本社長の開発ストーリー 金沢ピクルス編

加賀野菜の 加賀レンコン、源助だいこん

株式会社松本では、メーカー様及び飲食店様の商品開発のお手伝いをさせていただいております。

~松本社長の商品開発ストーリー~

金沢ピクルスの製造方針会議

金沢ピクルスの製造方針会議

シリーズ4回目は、金沢の伝統野菜  「加賀野菜」です 。

加賀野菜には様々な食べ方がありますが、発酵食品として楽しむのはいかがでしょう。野菜の栄養価を高め、カラダに良い食べ方になります。

 加賀野菜とは、藩政時代から受け継がれた季節感に富んだ特産野菜のことです。

金沢ピクルスの試作作り

金沢ピクルスの試作作り

金沢一本太ねぎ、せり、二塚からしな、くわい、たけのこ、加賀太きゅうり、金沢春菊、金時草、打木赤皮、甘栗かぼちゃ、ヘタ紫なす、加賀つるまめ、赤ずいき、加賀れんこん、源助だいこん、さつまいも (五郎島金時) を指します。
ちなみに、PR用にイメージキャラクター 「ベジタン」 もいます。

■ 加賀野菜でピクルスを開発

彩りを調整中

彩りを調整中

 株式会社 松本では、全国向けのおせち用のオードブルとして 「 金沢ピクルス 」 を開発しました。使用した加賀野菜は加賀レンコン、源助だいこんで、その他出来るだけ地の野菜を使うという前提で人参、胡瓜、赤パブリカ、黄パブリカを使用しました。

赤 (パブリカ) ・白 (加賀レンコン・源助だいこん) ・青 (きゅうり) ・黄色 (パブリカ) と色とりどりのピクルスです。また加賀野菜ブランドの加工品認証マークもいつでも取得できるように製造しております。

大きさのバランスも調整

大きさのバランスも調整

本当は、剣崎なんばも入れてもっと郷土色の強いものにしようとしたのですが、必要なだけの剣崎なんばを揃えることが出来ず、それは次回の課題となりました。
守秘義務が一部ありますのでアップの写真が載せられないのが残念ですが、どうでしようか、金沢のおせちにぴったりだと思いませんか。

■ 成功はコンセプトから始まります

まず最初におこなった事は、ここ石川県白山市のパートナー工場で商品コンセプトを一緒に練り込む事でした。具体的には、

1、誰に(ターゲット)
その商品はどういう特性の人に販売するのか。

五味五色の基本で

五味五色の基本で

2、何を(ニーズ)(ベネフィット)
そのターゲットのどのような欲求(ニーズ)を満たすのか、どんな役に立つ(ベネフィット)のか。

3、どのように(提供技術)
ニーズをどのような方法(技術)で満たすのか。

また原価計算、材料調達、販売価格などを検討。商品化の道筋を立てます。
製造過程に入る前にはサンプルを作って確認し、菌検査・日持ち検査を行い基準に達したことを確認して実際に工場での生産を始めます。

出来上がりです

出来上がりです

 全国のお客様に対して、一年で一番最初に召し上がっていただくおせちなのですから、華やかに、そして金沢の食材は美味しいと思っていただくために、彩りはもちろん野菜の大きさも1ミリ単位で細かく指示しながらを最適な大きさにカット。その後、塩加減、味加減を調整します。そして使いやすい量を確認しながら、商品化をいたしました。もちろん無添加無着色であることはいうまでもありません。
全部で9000セットのお重の中に採用されましたので召し上がられた方もあるかもしれません。

 現在は、冬の間だけの商品ですが、ゆくゆくは通年商品として商品のレベルを上げながら自社商品として、全国へ向けて発信できたらと考えております。ご自宅用はもちろんですが、金沢の手土産としてもおすすめですよ。

加賀野菜で作った 、金沢ピクルス です。

【販売元】㈱松本